「ヤットさんのスロースターターぶりは予定通り?」ゼロックス・スーパーカップ2016 サンフレッチェ広島-ガンバ大阪
まだ2月も半ばなのに、もうゼロックス・スーパーカップなのかと思ってしまったが、今年はリーグ開幕が来週からだったし、ACLも今週から始まるので改めてシーズンはもう目の前だと思い知らされた次第。
さてJリーグ王者のサンフレッチェ広島と、天皇杯王者のガンバ大阪のカードは、やはりともにACLの試合を見越してか前半は肩慣らしといった感じのスロースタートの立ち上がりで、試合的にはほとんど動かず。
しかし昨年とほとんど戦い方が変わらず安定感が増している広島に対し、今野をCBにして井手口がボランチの一角に入り、2列目を宇佐美、アデミウソン、阿部という並びにしたガンバはまだまだ手探りな状態で、どちらかと言うとガンバのほうが走らされている感があったかなと。
そうなるとやはり流れは広島に傾くもので、後半6分に塩谷のアーリークロスに佐藤寿人がさすがの反応を見せてピンポイントで合わせて先制点を決めると、12分には結果的には誤審だったが手を出してブロックした丹羽のプレイがファールを取られてPKになり、これを浅野が決めてあっさりと広島が2点をリード。
ガンバは、後半23分にカウンターから右サイドのクロスに宇佐美が上手く飛び込みヘディングを決めて1点差に迫るも、後半27分には広島のCKを遠藤がクリアしたボールが交代で入ったウタカの前に落ち、これをウタカが豪快なダイレクトボレーで3点目を決めて勝負あり。
広島は、昨シーズンも強かったが今年はクラブW杯でブレイクした茶島やU-23で活躍した浅野に自信が深まり、放出が噂されたミキッチも残留して今年はさらに隙が無い。このチームをリーグ戦で破るにはライバルに相当なレベルアップが無いと厳しいんじゃないだろうか。
そういう視点でガンバを見ると、井手口のボランチ、宇佐美のサイド起用という実験をして来た長谷川監督の起用も頷ける。従来通り今野をボランチにして宇佐美をトップ下にしたほうが機能するのだろうが、そこからレベルアップするには宇佐美がサイドでも働ける運動量と守備力を身に付け、攻撃センスがある井手口がレギュラーになるほうが、チームとしてのレベルは向上する。
この試合でも遠藤は、「まあ2月はこんなもんでしょ」とばかりに相変わらずマイペースなプレイぶりだったが、体調と戦況を見てペースをコントロールする姿勢は変わらないだろうから、ガンバとしてはポスト遠藤も真剣に考える必要はあるだろうね。
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