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トヨタカップ2003 ACミラン-ボカ・ジュニアーズ(1-1PK1-3)

ミランはGKジダ、DFはパンカロ、マルディーニ、コスタクルタ、カフー、ボランチがセードルフ、ピルロ、ガットゥーゾ、トップ下カカー、2トップはシェフチェンコとトマソンの4-3-1-2のベストメンバー。ボカは選手名は省略して(笑)、4-4-2の布陣。ただし注目のテベスはベンチスタート。
試合は最初からボカとミランが互いに激しいプレスをかけ合う展開で始まる。とは言え、やはりミランが押し気味にはなるのだが、中盤でボールをうまく前に運べないためにあまり人数をかけた攻めをして来ない。
膠着した状態が20分も続いた後にようやく試合は動く。まずボカがセットプレイから2度ゴールを脅かし、これで目が覚めたのかミランの攻撃にスピード感が出始める。そして23分、右サイドで奪ったボールをピルロがすばやくフィード、それに反応したミラン2トップが前線に殺到し、手前のシェフチェンコはボールに触れなかったものの、裏にいたトマソンが落ち着いてゴールに流し込んでミラン先制。
これでミランの攻撃に勢いが増してくるものの、試合巧者のボカは29分に同点に追いつく。右サイドでつないであげたクロスに飛び込んだイアルレイがつま先に当て、いったんはジダが弾くもののドネが押し込んでゴール。ミランはこれでまたペースが落ちてしまい、バイタルエリアを人で固めて絡め取るようなボカの老獪な守備に中央突破を阻まれる場面が続く。SBのカフーもパンカロもほとんど出番が無い。
後半になると、ミランも両SBが上がってポゼッションを強め始め、それに反応したボカも守りを固めてカウンターで応酬するという展開に変化する。特にボカGKのボールを取ってからのフィードの早さは異常で、いかにこの形を何度も練習したかが伺える。しかしミランもコンディションのせいかセードルフとカカーに存在感が無くなり、パスをひたすら回すだけしか出来ない。逆に28分にテベスを投入してからは、かえってボカの方が決定的チャンスを作るようになる。ミランはルイコスタ、ピッポを投入してもペースは上がらないまま。そして試合は延長に。
延長に入ると試合はすっかりグダグダに。特にミランはひどくて前に上がれないしパスはミスだらけとどうしようもない。延長後半になるとミランもPK戦にしたくないのか少しネジを巻きなおす。そしてFKからピッポがゴールを揺らすものの、まさかのボカのオフサイドトラップに引っかかって無効。とうとう試合は延長へ。
PK戦は3-1。なんとミランは3人の選手が外してしまった。このPK結果と最後の最後にかけたオフサイドトラップが象徴するように、ミランの疲労と精神的な隙につけこんだボカの試合運びのうまさ、老獪さ、狡猾さが際立った試合だった。

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