「せっかくのドッピエッタの絶好機を失敗するとは、久保もやっぱり人間だった」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ 優勝プレーオフ第5節 ズルテ・ワレヘム-ゲント
- 2017.04.28
- ベルギー・ジュピラー・プロリーグ
前節は優勝プレーオフで最下位のオーステンデを相手に、久保のゴールでかろうじて引き分けるという失態をホームで演じてしまったゲントだったが、今節はアウェイでズルテ・ワレヘムに対して久保の先制点を含む2-0で勝利、何とか挽回に成功した。
ゲントのフォーメーションはまたも3-4-3で、ズルテ・ワレヘムは4-4-2。ゲントとしては両WBへ大きく展開、ズルテ・ワレヘムが作る4-4ゾーンの外側のスペースを使って攻める狙いが見えるのだが、ズルテ・ワレヘムもアフリカ系が多いせいかあまり横方向にシュリンクせず、かと言ってゲントは中を使うわけでもなくと、狭いサイドでの1対1勝負という大味な攻防が展開される。
先にペースを握ったのはゲントで、久保が中に入ってマークを引きつけたスペースを右WBのフォケが上がる形が機能し、前半24分に左サイドからサイドチェンジがオーバーラップしたフォケに渡り、これをダイレクトで折り返したボールを、中に飛び込んだ久保が胸で合わせ、ゲントはまさに狙い通りの形で先制点をゲットする。
ゲントはその後も何度かカウンターから良い形を作りかけるのだが、シモンが完全に抜け出して中央で久保がフリーだったのに自分で打ってしまって外すなど、楽に試合を終わらせられるチャンスを自らみすみす手放してしまう。
後半になると、今度はビハインドを負ったズルテ・ワレヘムが逆にSBの攻撃参加でサイドで数的優位に立ち、クロスを長身のレイエに合わせて攻めて来るようになり、ゲントはサイドで基点を作られラインがズルズル下がってしまい、前線が孤立してセカンドボールを拾われて、という悪循環。
後半8分にレイエがドンピシャで合わせたヘディングゴールはオフサイドで助かったものの、後半25分には右からのクロスがファーに流れたところをレイエがボレーで合わせるもゲントGKカリニッチが何とか弾き、29分には右サイドでパスを繋がれてフリーでクロスを上げさせるもタイミングが合わずと、ゲントはギリギリの対処を迫られる時間帯が続く。
そんな中で、ゲントは31分にカウンターからクリバリーが中にいる久保へクロス、久保はゴールから至近距離できっちりヘッドで合わせるもボールはGKの体に当たってしまい、ドッピエッタならず。これまでマシンのようにゴールを量産している久保だが、やはり彼も人間だったんだと再確認させられるシーンだったね(笑)。
試合終了間際になると、久保が味方にボールを回すように指示はするものの、それがかえってミスを招いてアタフタするゲント。ロスタイム2分には、スローインが流れてレイエがゴール前で完全なフリーになったものの、シュートは枠へ飛ばずに命拾い。逆にその直後、クリバリーが相手DFからボールを奪ってそのまま流し込み、ようやくゲントが追加点を決めて試合終了。
裏で行われた、アンデルレヒトとクラブ・ブルージュの上位対決はブルージュが勝利し、これで首位アンデルレヒトとゲントとの勝ち点差は5に縮まり、ゲントの優勝の可能性はまだ何とか繋がった格好になった。が、3位のブルージュもゲントに勝ち点1差をキープしており、上位2枠を争うチャンピオンズリーグ圏争いは最後までもつれそうである。
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