「計算通りにヨルダンを破壊」ブラジルW杯アジア最終予選 グループB 日本-ヨルダン

前田の先制点は、実に前半18分までに6本目を数えたCKから生まれた。
ヨルダン戦の展望で、日本はサイドの高い位置に基点を作って、ヨルダンの守備をPAの中まで下げさせてから崩すのが良いと書いたが、全くその通りのプランを遂行し、その通りに大勝して見せたわけで、ザックとしても申し分ない戦いだったのは間違いない。
ただ、さすがにザックは一流のプロ監督だなと思った事は、単にサイド攻撃で相手のラインを下げさせるだけでなく、そこからボールを下げた時にDFラインがPAの外側まで上がろうとするところを、さらに裏を突く攻撃でズタズタにしてしまったところだ。
ヨルダンは、攻撃時は2トップで守備時は4-1-4-1になって日本にバイタルを使わせない狙いで入り、序盤は厳しい当たりと攻撃への素早い切り替えで日本にペースを握らせなかったが、その勢いもたったの10分ほどしか続かなかった。
4-1-4の部分で2ラインを作るのはいいんだけど、ヨルダンのSHが中途半端な位置取りのままズルズルと下がってしまうために、日本は楽にサイドで数的優位を作ることが出来、中央の選手がサイドに引き寄せられたところのスペースに日本選手が入り込み、この試合では全くノープレッシャーだった復活の遠藤が自由自在にパスを配給できていた。これではヨルダンに勝ち目なんか生まれない。
そして相変わらずの鬼のような日本の組織守備。ヨルダンは攻撃になった時に日本のプレッシャーを素早く受けるために、限定されたパスコースに向かってボールを蹴ることしか出来ず、そこには日本の守備陣が必ず2枚は縦を切りに来ているために、易々とボールを奪い返すことが出来ていた。日本のファーストプレスを個人技で交わし、縦ではなくて大きくサイドチェンジ出来れば違ったのだろうが、残念ながらアジアでそれが出来るチームはほとんどいない。
ただ、吉田が怪我で抜け、本田がいなくなった後半の試合運びはちょっといただけなかった。CBに入った栗原は、吉田よりもクサビのパスへの出足が遅くてファールで止めざるを得ず、中村憲剛も香川も岡崎も点が取りたいのか最初から中へ中へとポジションを取るために、中央で渋滞が起きて前半のようなスピード感が見られなくなってしまった。
香川は終盤足を攣っていたらしいが、ブンデスリーガでシーズンを終えた後の影響があるのかコンディション的にはあまり良い状態でないのが気がかり。怪我明けで使い減りしていない本田が香川の不調をカバーしているが、オーストラリア戦に向けてはもちろん、来シーズンに待ち受けるプレミアリーグのハードスケジュールを考えても不安が残る出来となった。
それにしても、最終予選で本気モードになったザックはイタリア人らしく徹底してリアリストだね。3枚目のカードとしてイエローカードを累積で1枚もらっている今野を下げて伊野波を投入し、宮市やハーフナー・マイクの出番を期待する観客の望みを一蹴。この最終予選では、ライバル国は当然として日本のファンに対してもサービス精神を見せるつもりは一切無いようである(笑)。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする