「ピクシーなんてこったい3連発」ACL グループG 城南一和-名古屋グランパス

エースケネディを怪我で欠いた苦しい台所状態の名古屋は、永井の1トップの下に金崎と藤本を並べる4-3-3という形で城南とのアウェイ戦に臨んだ。
試合は序盤からホームの城南が名古屋を圧倒、いきなり楢崎が2度もシュートをかとうじて弾き飛ばす大ピンチ。それ以降も、ワンタッチパスを多用してサイドのスピードに乗ったオーバーラップを繰り出す城南の前に名古屋の守備がついて行けず、当然ながら永井の1トップにボールが収まるはずもなく後手後手に回る展開。
相手の早いプレッシャーを交わしてサイドチェンジから縦につないで攻めようとするも、スピードを意識し過ぎてか選手間の呼吸がいまいち合わず、もったいないミスパスを連発して全くリズムに乗れない。で、12分にゴール前のFKを直接決められて名古屋があっさり失点してしまう。
そこから前半の終わりまでは、先制した城南が攻撃のペースを落として名古屋がボールを持てるようにはなるものの、ケネディを欠く前線には高さが無いのでせっかくサイドまで侵入してもその先のゴール前までなかなか踏み込め無い状態。
後半からピクシー城南の狙いどころになってしまっていた阿部を下げて玉田を投入、小川を左SBへと下げて攻撃を活性化しようとするものの、名古屋が下手に攻撃的になったところで再び城南のスピード豊かな攻撃が復活、前線に運ぼうとするボールを奪われてはショートカウンターを食らい、セカンドボールも支配されるという最悪な状況に。
全く打開方法が見つからないまま70分が過ぎたところで名古屋に奇跡が起きる。名古屋ゴール前からのカウンターで藤本が守備のファーストアタックを交わすと、右サイドをオーバーラップした小川にパス。そして鋭く中へ折り返したボールが守備に戻った相手の胸に当たってゴールイン。名古屋がラッキーなワンチャンスをものにしてしまう。
その後はホームで勝ちたい城南が前がかりになったところを、ようやく出番が出てきた永井を中心に名古屋がカウンターから決定的なチャンスを少なくとも3度はつかむものの、GKと1対1になった永井、ゴール前で一瞬どフリーになったダニエルが決められず、極めつけは明らかにPA外にわざと飛び出て永井を倒した相手GKがレッドではなくてイエローという判定で、ピクシーの連続なんてこったいポーズを披露して終了。
試合内容全体としては引き分けで御の字というところなのだろうが、最後の大チャンスをものに出来なかったという意味ではもったいない試合だったかなと。もう一方のセントラル・コーストが天津に大勝したので、グループ突破は次のセントラル・コースト相手のホーム戦に引き分け以上で決まることになった。
城南の相手がグループ敗退決定の天津で、しかも現時点での得失点差で名古屋を2上回っているので、名古屋が大勝しないと1位通過が厳しい状況になってしまった。セントラル・コーストは勝利が絶対条件なだけに必ず攻めて来るだろうから、そこを上手く突いて得点を重ねて行きたいところだろう。