「シリア対策のヒントがそこに」アジアカップ2011 グループD イラク-イラン(1-2)

宇都宮さんや後藤さんが、現時点で今大会のベストゲームだと絶賛していた試合だったが、見ていて途中まではあまりそういう風には感じられなかった

イラクは序盤からよく統率された激しいプレスでイランから先制点を奪ったが、攻撃の形といえばとにかく1トップのマフムードに放り込むだけで、前半20分頃からイラクのプレッシャーが落ちてイランがサイドで基点を作れるようになって同点に追いついてからは、これはどう見てもイランの勝利は固いのではないかと思ってしまった。
ところが、後半になるとイラクの戦い方がガラリと変わり、サイドチェンジなどを絡めてサイドで基点を作り、そこからSBがオーバーラップするような分厚い攻めを見せ始め、アジアのベスト審判と呼ばれるラフシャン・イルマトフさんが激しい当たりでも簡単にカードを出さずにうまく試合をコントロールし、欧州中堅クラブ同士の戦いのようなスピーディな内容を堪能することが出来た。
今大会は中東で、気候的にもベストな時期の開催という事で、サウジは別として(笑)日本が苦戦したヨルダンを始めとして中東勢が非常に好調で、コンディションの悪い日本にとってはこれからも相当苦しむ事になるのは確実な情勢になって来た。
今晩は、いきなりグループリーグ突破の運命がかかる事になってしまったシリア戦が待ち受けているが、この試合を見ても鍵になって来るのは日本の2列目の出来だろう。
中東勢は以前のサッカーとは違い、今はコンパクトなゾーンを形作って激しいプレッシャーでボールを奪い、単なるカウンターではなくてセカンドボールを拾って2次3次攻撃をかけて来る、モダンなサッカーを展開するようになって来た。
ただし、中盤をワンタッチパスで交わして来るようなテクニックはそれほど無いので、カウンターの起点になるボールの出処さえ自由にさせなければそれほどの怖さはない。中盤のボールホルダーを囲んで良い形でボールが奪えれば、逆に日本のほうがコンパクトなゾーンの裏を使うチャンスが出てくるので、その攻守両面で日本の2列目にかかる役割は大きい。
ヨルダン戦では、本田と香川、松井のポジショニングが膠着してしまい、前田もそれに影響されて自分の役割が見いだせずに攻撃が機能しなかったが、DFの裏を取る動きが得意な李や岡崎の先発起用も十分考えられるだろう。
もっと言えば、遠藤の調子が上がらないようなら思い切って本田をCHとして使って、攻守で試合をかき回せる柏木を2列目に入れても面白いのではないかと思うが、今からアジアカップで試すのは博打が過ぎる上に、選手の力関係的に本田が自分で折れない限りは無理だろうから可能性は低いだろうけどね。でも、個人的には遠藤の後継は柏木じゃなくて本田だと思っているので、ザックにはスルツキ監督に本田の操縦術を学んでおいて欲しいところだよな(笑)。

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