「別格のコンタドール」ツール・ド・フランス2009 総括

さて、今日は今年のツール全体の総括らしきものを軽く書いて見ます。
まず総合優勝争いですが、何と言っても2位に対して4分11秒の差を付けて優勝したコンタドールの図抜けた強さですよね。
山岳ではアンディ・シュレックと並んで現役選手No.1の強さを持ち、おまけにタイムトライアルでもトップクラスの能力を持っているのだから全く隙がありません。出場したグランツール全てに優勝するという安定感も兼ね備えており、年齢も考慮するとランスを越える優勝回数も不可能ではないでしょう。
最終ステージもカメラ映像のほとんどをランスに持っていかれ、たまたまカメラワークのせいだったのかもしれませんが、シャンゼリゼゴールではカヴェンディッシュの勝利に皆がグリコポーズで喜んでいたコロンビアチームに比べ、コンタドールの周りにはあまりチームメイトがおらず、一人でガッツポーズをするなどチーム内で孤立していたように見えるにも関わらず、気持ちが折れずにきっちり優勝したあたりは精神的なタフさもパーフェクトです。ま、もともとバキュンポーズを見ても分かるように、天然だからという噂もありますが(笑)。
ただ、今年はアスタナという最強チームにいたおかげで、チームTTで序盤に大きなアドバンテージを得て展開を有利に持ち込めた面は大きく、エヴァンスのようにアシストに恵まれないチームに移ってしまったらどうか、という危惧はあります。天然+若さゆえか、政治的な戦略や人脈作りに長けているようには思えないので、連覇は来期の移籍先次第ということになりそうです。
アンディ・シュレックについては、登りはこれまでにも図抜けた能力を見せてはいたものの、今までは安定感に欠けていて大きな結果が出せなかったのが、今年は名実共に立派な優勝候補として堂々たる戦いぶりでした。TTにはまだ課題があるとは言え、初期のコンタドールも決して早くは無かったわけで、彼も年齢を考えればコンタドールを脅かす存在にまで成長する可能性は決して低くありません。それに、兄フランクとの息の合った連続アタックという、ライバルに対して確実に恐怖を与える大きな武器を持っているのも強みです。
3位のランスに関しては難しいですね。今年の成績を、純粋に衰えと見るか怪我と引退後のブランクと見るのかで来期の予想が大きく変わりますからね。ただ、全盛期と比べると今年は胸板が厚くて余計な筋肉がついたままのようなので、年齢を考慮しなければ、まだ復活する余地はあるように思います。サストレ、クレーデン、エヴァンス、メンショフ、ヴァンデヴェルデら三十路連中は、これといった武器を持っていないだけに、今後も健闘しつつ幸運を狙うといった感じでしょうか。それよりも、ウィギンスやニバリ、トニ・マルティンといった新鋭のほうが期待できるかもしれません。
そしてポイント賞のマイヨ・ヴェールは、フースホフトがステージを6勝したカヴェンディッシュを僅差で押さえての受賞。17ステージでフースホフトが単独で逃げてスプリントポイントをゲットしたのと、14ステージでカヴェンディッシュが進路妨害を取られて失格してしまったことがポイントになりましたね。ボーネンの不調やペタッキの不出場はありましたが、現在カヴェンディッシュがスプリント最強であることは疑いありません。が、フースホフトの登りをこなす能力はかつてのツァベルおじさんを髣髴とさせ、チッポリーニやマキュアンが勝利を重ねるのを横目で見ながら、地味に登りをこなして最終的にはマイヨヴェールを6度取ったツァベルと同じような展開になって行くかもしれませんよ(笑)。
最後に山岳賞のマイヨブラン・アポワ・ルージュですが、ペッリツォッティが無風で獲得。とは言え、ジロ3位にも入った実力の選手が総合争いをパスしてのゲットは当然でもあり、コンタドールやアンディに山で対抗できる選手が居なかったのは非常に残念ですよね。ガラーテもモン・ヴァントゥーを取りはしたものの、他ではさっぱりでした。この分野でフランス人選手が台頭してくると盛り上がるんですけどねえ・・・
ま、今年はとにかくランスのおかげで、展開的にも戦略的にも、ドラマの面でも随分楽しませてもらいました。来年は絶好調のエースとして、正真正銘の新旧対決を果たして欲しいですよね。では、自転車ファンの皆さんまた来年!

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