「カウンターの起点として機能し始めたと思ったら、ベンチに下げられてしまった柴崎」スペイン・リーガエスパニョーラ第21節 セビージャ-ヘタフェ
- 2018.01.30
- スペイン・リーガエスパニョーラ
上位4チームとは離されているとは言え、ヨーロッパリーグ圏内に付けている強豪セビージャのホームに乗り込んだヘタフェ。柴崎はこの試合でも4-4-1-1のトップ下で先発、1トップは累積警告で出場停止のモリーナに代わってアンヘルが先発。
試合はもちろん、ホームのセビージャがポゼッションしてヘタフェが守る展開に終始。柴崎は前線からプレスをかけ、ロングボールに競り合いポストプレイをこなすなど、およそ不釣り合いな仕事を一生懸命こなしているが、せっかく柴崎が苦労して収めたボールを中盤に返しても、エンゾンジとバネガというリーガでも屈指のボランチコンビに潰され、柴崎のところまでボールが帰ってこない。
ならば守備でと、序盤には相手陣内でパスをスライディングでカットしたり、前半26分には枠をギリギリ逸れるヘディングは打たれたものの、フリーで飛び出したベン・エデルを長い距離を走って追いかけたりと、トップ下とは思えない粘り強さを見せる柴崎。これだけ守備が上達したのだから、そろそろボランチで使ってあげてもいいのにと思うんだけどね。
ただ柴崎が孤軍奮闘しても多勢に無勢で、前半25分頃からヘタフェはラインを上げられなくなってセビージャが完全に圧倒、柴崎も中盤に吸収されて4-5-1のような形になるものの、セビージャは最後のツメが甘く、徐々にヘタフェも相手の攻撃ペースに慣れて来て試合は膠着状態に。
そんな中で、柴崎はカウンターからパスを受けてドリブル、そこから右サイドに張っているポルティージョへスルーパスという場面を2回ほど作るなど数少ないヘタフェのチャンスを演出するが、後半14分にファジルと交代してしまう。
前線で起点になっていた柴崎が居なくなったヘタフェは、その後は攻撃が組み立てられなくなってさらにセビージャの猛攻を浴び、後半26分にコレアから右サイドのサラビアにパスが通り、グラウンダーのクロスをムリエルが後ろ足に当ててゴール、とうとうヘタフェはセビージャに得点を許してしまう。
その後はセビージャが勢いに乗ってサイドを完全に支配、さらにヘタフェを攻め立てるのだが、バネガの決定的なシュートがポストに当たるなど相変わらず決定力が無くてヘタフェにとどめを刺しきれない。
とは言え後半のロスタイムも2分を過ぎ、これはさすがに決まりかなと思われた瞬間、ヘタフェの単純なゴール前の放り込みにセビージャGKリコがカラと競り合ったところで何とボールをファンブル、こぼれ球が目の前に飛んで来たアンヘルが無人のゴールに難なく蹴り込み、ヘタフェが土壇場でまさかの同点ゴール、そして試合は1-1で終了した。
特に柴崎を替えた采配が当たったわけでもチャンスが多くあったわけでも無く、まさに「不思議の勝ちあり」で勝ち点1を拾った格好になったヘタフェ。次はホームでの試合だけど、勝ち点で並んでいるレガネスが相手だから、やっぱり柴崎が先発してもトップ下なんだろうな。
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