「ビッグクラブからプレスが無くなったら超絶個人技ショーになりました」イングランド・プレミアリーグ第22節 アーセナル-チェルシー
- 2018.01.05
- イングランド・プレミアリーグ
昨日は、関西の地上波では高校サッカー選手権の放送が行われていなかったので、プレミアリーグで三が日の最後に行われたアーセナル対チェルシーの「ビッグロンドン・ダービー」を観戦。
年末年始のハードスケジュール真っ最中、そしてアーセナルが3-4-3、チェルシーが3-1-4-2という、どちらも守備時には5バックになってスペースを埋める守備で入ったので、これは決定機の少ないしょっぱい試合になるかと思ったのだが、そうは問屋が卸さなかった(笑)。
おそらくチェルシーは3バック+アンカーにしてアーセナルのポジションとミスマッチを狙った並びにしたのだろうが、どちらも疲労が残っているせいか前にプレスをかけず人が並ぶだけの守備になってしまい、中盤の横に出来るスペースを使い始めた頃から試合は激しく動き出す事になった。
前半14分にモラタがGKと1対1になって外したシュートはチェンバースの凡ミスだが、そこから輝いたのはアーセナルではエジル、チェルシーではアザール。どちらも5バックと中盤の狭いスペースの間でピタリとパスをトラップして前を向き、エジルは相手と逆を取る動きからスルーパスや縦パス、アザールは当然スルスルとドリブルで抜け出して決定機を次々に演出する。
アーセナルのチェフ、チェルシーのクルトワの両GKも決して引けを取らず、15分には至近距離からのサンチェスのシュートをクロトワが手に当てたおかげでボールはポストに2回当たって決まらず、22分にはエジルのパスからラカゼットがPA内で反転シュート、これもクルトワが足に当てて防いでしまう。26分にバカヨコがPA内に入り込んでのシュートはチェフが冷静にハンドオフできっちり枠外へ。
後半直後にも、セスクのパスを受けたアザールのシュート、こぼれ球を押し込んだマルコス・アロンソのヘディングもチェフが連続でスーパーセーブすると、6分にはサンチェスのパスからこぼれ球を拾ったラカゼットのシュートをクルトワが足でセーブと、ほとんどがPA内からの決定的なシュートが全てGKに防がれてしまう。
しかし後半11分にとうとう試合が動く。左サイドからエジルがワンツーを狙った動きを見せると、ボールがPA内に入り込んだウィルシャーの前に転がり、豪快に打ったシュートがクルトワの頭上を撃ち抜きアーセナルが先制点を決める。が、その4分後にダイブ気味に見えたがベジェリンが後ろからアザールを蹴ったと判定されPK、すぐにチェルシーが同点に追いついてしまう。
その後は互いに中盤が間延びしてゴール前のシーンは増えるものの、集中力も落ちたのかあまりシュートまで持って行けず、引き分けが視野に入り始めた後半39分、チェルシーは右サイドへの大きな展開からザッパコスタが粘ってキープ、反転から抜け出してのクロスに飛び込んだのが左WBのマルコス・アロンソ。
まさかのリードを許したアーセナルは残り時間をパワープレイに切り替え、後半もロスタイムが2分になった時、左からのクロスのこぼれ球をベジェリンがミドル、これがゴール左に突き刺さってアーセナルが劇的な同点ゴール。しかしこれだけで試合は終わらず、その直後にまたモラタがドフリーで抜け出しGKと1対1、チェフに当たったこぼれ球を押し込んだザッパコスタのシュートはクロスバーに当たってアーセナルは命拾い。そして2-2のまま試合終了。
日本代表の試合とかだと、相手が5バックでスペースが埋めて来たら下手なワンツーや宇宙開発のミドル、そして山なりの適当なクロスしか出来ず、ひたすら跳ね返されるしか出来ないのに、ワールドクラスの選手が集うとここまでチャンスを量産するし、それをGKが止めまくるエンターテイメントになってしまうとは、驚きでもあり情けなくもあるなと。百歩譲って、乾や香川ぐらいならこの中に入ってもなんとかなるかなという感じだったね。
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