レアル・マドリーで戦術的なサッカーをやらそうという監督は放り出される運命
昨日は給料日後の金曜という事で飲みに行っておりまして、でもそんなに酔っ払ったわけでもなかったのに、今朝になると頭がズーンと重くて肩がバキバキ、朝食はパスしてとある洋食屋で食べたら相当なボリュームがある料理が出てきて、頑張って食べたら血液が胃の方に偏ってしまって一気にフラフラ、ようやく夕方になってゾンビのように動き始めた有り様です。
なので、試合のレポートをアップする気にはならず、数日前にいただいたおなじみZEROさんからのメールを紹介してお茶を濁します。
実は10日ほど前までスペインにいっておりまして、マドリーとラージョの試合を現地で観戦して参りました。ガゼッタ様が紹介された通り、マドリーは弱点がバレバレでした。
この試合はマドリーが勝ちましたが、前半は完全にラージョのペースで、マドリーはシュートを打つことすらままならない状態でした。正直セルヒオ・ラモスとカシージャスがいなかったらどれだけ失点していたのか、、、という程の悲惨な状態でした。
弱点とは
- ロナウドがプレスバックしないので、左サイドに大穴が空いている
- アロンソが移籍したため、中盤で大きくボールを動かせる選手がいない
- ベンゼマはふらふらとうろつくばかりで、ボールをキープできない
が挙げられます。
特に一点目は深刻で、ラージョはボールを奪うとすかさずロナウドが戻らないマドリーの左サイドの展開し、カウンターで攻め立てていました。そうなると、クロースやモドリッチがカバーに行くので、今度はバイタルが空いてくるという悪循環、、、、。(ちなみに、ラージョは1-4-2-3-1でした)
ガゼッタ様が指摘されている「ゾーン」についてもマドリーはかなり曖昧で、逆にラージョの方が良く整備されていました。
アンチェロッティも無策だったわけではなく、ベイルを下げて1-4-1-2-3から1-4-4-2にして、サイドの穴をふさぎました。そうすることで前半の終わりにかけて試合が落ち着きました。
後半に入るとマドリーはポゼッションを捨てて、ロングボールをベイルに当てて、右サイドをベイルとSBのコンビネーションで崩す作戦に切り替えました。結果、ラージョの左SBはベイルとの1対1に負けて徐々にラインが下がり始め、1点目もまさにベイルがロングボールをキープしたところで、サイドバックが突破して、中に入ってきたロナウドに合わせて奪った物でした。
その後、マドリーはイスコを入れて、完全な1-4-4-2にしましたが、これが上手くはまり、バランスを回復し、さらに前半飛ばしすぎたラージョは出足が悪くなり、ロナウドの個人技から最後は追加点を奪われました。
一緒に観戦していた友人も言っていましたが、マドリーは弱点だらけでほとんど役に立たないベンゼマをトップに置いた1-4-1-2-3よりも、それよりはバランスが良くい1-4-4-2の方が良さそうです。少なくとも週明けのCLでは、その方が良いのかな、そんな風に思いました。
とにもかくにも、スタジアムで見ると「ゾーン」の整備具合は直ぐに分かってしまうので、やはり足を運んでみるべきですね。私のようなサッカーのプレー経験のないものでもよく分かりました。
スペインで試合観戦、いいですねえ。こっちは貧乏暇なしでなかなか有給さえ取れない毎日で羨ましい限りです。
まあビッククラブなんてのは、戦術なんかその辺の下手くそにでもやらせれば良いと思っている王様スターを金でひっぱたいて集めるところであり、そんな状況でアトレチコ・マドリードみたいなサッカーをやらそうとした日にはあっという間に監督のほうが放り出される世界ですからねえ・・・
いかに戦術オタクのアンチェロッティと云えど、クリロナが気持ちよくプレイするためには前線で潰れ役になってくれるベンゼマを使いたがるのは分かります(笑)。つくづく、戦術好きはビッグクラブのファンなんかになるもんじゃないですなあ。
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