NHK BS1「ドーハは悲劇ではなかった~日本サッカー あの日からの18年~」

昨日はもう全く試合の録画ストックが無くなってしまっていたので、NHK BS1でやっていた「ドーハは悲劇ではなかった~日本サッカー あの日からの18年~」という番組を見ていました。
これは、監督業からの引退を決めたハンス・オフト氏が、日本の旧友に対してお礼と挨拶を兼ねての行脚旅行のために来日した際に、作家の島田雅彦が付いて行ってドーハの悲劇についての話をいろいろと聞き出すというものでした。
その最大のテーマとして、島田氏がトラウマとして未だに心の棘が刺さったままでいるドーハの悲劇について、「果たしてあれは悲劇だったのか?」という問の答えを、当時の最たる当事者であるオフト氏に求める、というもので、最後にはオフトの「スモールフィールド・アイコンタクト・トライアングル」という教えが、日本を成長させてその後の成功につながっているのですよ、万々歳という当たり前の結論になったわけですが、ぶっちゃけ非常に違和感を感じましたね。
作家様というのは何かにつけてストーリーを考えないといけない職業なんでしょうが、今から18年前の、たかがサッカーの結果について未だにトラウマなんてどんな中二なんだよと思ってしまうわけですが(笑)、それだけ、この20年足らずの間に日本が獲得した経験値の大きさが、その断層に現れているんじゃないかと思います。
冷静に見れば、当時のアジアに対するW杯出場枠はたったの2つで、「ジョホールバルの歓喜」の時に枠が2のままだったら、そのまんまジョホールバルの失望に変わってしまっていたんですよね。そしてそれは、岡田ジャパンの時も同様です。
それまでW杯は出場したことがなく、プロリーグがやっとこさ発足した国が、アジアの中で2位争いをするというのは、その当時の選手層の薄さを考えても大変な躍進であり、客観的に見てキャッチコピーを付けるならば、ドーハの悲劇じゃなくてドーハの大健闘だったと言うべきでしょう。
そしてロスタイムの試合運びの稚拙さ。まあ、それについては今までにさんざん語りつくされているでしょうが、それをオフトが番組の中でもう一度見ながら、冷静に「試合を終わらせろ」「(失点して)まだ時間はある」というように冷静に分析していた事に島田氏は驚いていましたが、それもおかしな話です。
日本にとってあの試合は特別なのかもしれませんが、何十年もプロの監督をやっているオフトにとっては、その中のたかだか1試合に過ぎませんし、ロスタイムに点を入れられて何か大きなものを逃す、という経験は彼にとっては日常でしょう。と言うか、どんな状況の試合であっても特別な感情を持たず、平静に臨めるのがプロ監督という職業なんじゃないでしょうか?
オフトはもちろんの事、オフトが会った、柱谷氏やカズ、遠藤といった人物、そして私たちのようなサッカーファンの視聴者が現代の地平に立っているのに対し、島田氏、そして番組の製作者だけが、まだ18年前の時代に生きているんじゃないかと思わせるような番組でした。

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