「Jはどこも試合を終わらせるのが下手」FIFAクラブワールドカップ 柏レイソル-オークランド・シティ

2011年と2012年は日本でCWCが開催されるので、今年はJ1王者が出場することになったCWC1回戦は、無事柏レイソルがNZリーグ王者のオークランドを下して2回戦へと駒を進めた。
その試合は最初の数分こそオークランドがプレッシャーをかけて押しこみはしたが、その後は完全に柏がボールポゼッションを握る展開に。
ネルシーニョ監督はさすがだなと思ったのは、中央をガッチリ固めるオークランドに対して、相手のゾーンが低い事と、ボールとは反対サイドの守備が薄いことを利用して、中盤をグラウンダーで横切るサイドチェンジで基点を作り、そこからSBと2トップとの3人で崩していた事である。
これが無理にFWへ縦パスを入れようとすると、相手のカウンター狙いにはまっていた可能性は高いし、ロングボールでのサイドチェンジは、精度とスピードが伴わないと単に相手の守備陣形を横にずらすだけになってしまうので、オークランドのような戦い方に対してリスクを最小限にして攻めるには最適な方法だったと言えた。
さすがにオークランドの高さにサイドをえぐってのクロスはなかなか決まってくれなかったが、それが意図したものであるとは買いかぶり過ぎだとは思うが、最初は右サイドの酒井を中心とした攻めから、左サイドに攻撃の重点が変わった途端に田中順也のゴールが決まったのは見事だった。
ただ、後半も10分ごろになるとレイソルが明らかにペースを落とし始め、前半は活発だったSBの上がりが無くなり、自然とオークランドが押し込む展開になる。
で、のらりくらりと相手をいなせれば良かったのだが、Jではそれが得意な鹿島がACLでは苦労しているように、柏もそれまでのグラウンダーのサイドチェンジが相手の長いリーチにパスが引っかかるようになってしまい、オークランドにセカンドボールを拾われる展開が続くようになる。
後半23分に相手が前線の選手と2人投入して3トップにすると、柏のSBとCBの間に出来たギャップを突破されるようになり、30分過ぎにはセットプレイから立て続けに決定的なピンチを作られるが、GK菅野がスーパーセーブを連発して何とか凌ぎ、最後は北嶋らを投入しつつ逃げ切った。
まあ、最後のあたふたについてはハードスケジュールや経験不足などの影響で、ある程度は仕方ない部分ではあるのだが、レアンドロ・ドミンゲスとワグネルの両輪のプレイにらしくない雑さが見られたのは少々気になるところ。祖国のクラブであるサントスと対戦することが最低限の目標なのは間違いないので、とにかく次の試合にきっちりと集中して欲しいところである。