「苦しみながらも勝ち点3スタート」ロンドン五輪女子サッカーアジア最終予選 日本-タイ

中1日で3試合という、全社決勝や地域決勝大会もビックリな過密日程を踏まえ、W杯の中盤スタメン4人を全部温存という思い切った采配に出た日本だったが、前半は完全にそれが裏目に出てしまった。
試合の序盤こそ、高い位置からのプレスでボールを奪い、タイをゴール前に釘付けにしたのはいいが、そこでの決定的なチャンスに決められないと、そこからはズルズルと攻撃の勢いが落ちてしまう。
その一番の原因は、日本があまりにも攻め急ぎすぎたことにある。開始6分に永里がフリーでヘディングを放ってGK正面に飛んだシーンで、タイのオフサイドラインが崩れて日本の選手が4人もフリーになっていたのを始め、タイの守備が中央を固めていたために、サイドに上がった日本選手には全くと言っていいほどマークがついていなかった。
そこに落ち着いてパスを出してから中へとつないで行けばタイのマークは外せるはずだったのだが、日本の攻撃はとにかく中へ中へと突っ込むだけで、わざわざ敵の網にかかるような攻撃しか出来ていなかった。サイドチェンジやミドルパスの精度もあるのだろうが、それよりも視野の狭さが問題のような気がした。
そして、もう一つは選手間の信頼感である。
号を煮やした佐々木監督は後半から宮間を投入したが、彼女が入った事によって、選手の意識が「走れば必ずパスが出て来る」という確信で統一され、周りの動き出しの速さが見違えるようになり、それがパスコースの増加につながってなでしこ本来のタッチ数の少ないパスワークが見られるようになった。
前半にはあんなに狭かった選手の視野も変貌し、ボールを持ってのルックアップから、タイミングよく上がって来たサイドにボールが渡るようになり、3点目の綺麗にサイドから崩した場面のように、後半のリズムあふれる攻撃につながって行った。
結果的に3-0と得失点差で言えば物足りないな結果に終わってしまったが、宮間や大野、安藤を後半から使ったとは言え、大温存しての勝ち点3はまずまずと言うべきだろう。サブ組とW杯スタメン組の実力差は明白ではあるが、こればかりは焦ってどうにかなるわけではない。今後の試合で、上手くコンディションを見極めながらローテーションさせつつ経験値とコンビネーションを高めてもらいたいところである。
ところで気になる他チームの結果だが、なんとドーピングで5人が抜けた北朝鮮にオーストラリアが0-1で敗れ、韓国と中国はスコアレスドローに終わり、日本が1戦目で首位に立った。当然ながら、タイと他の国には差があるので実質的には何もリードしてないに等しいが、これで韓国と中国、オージーに関しては温存策が取りにくくなったはずだ。韓国戦ではフレッシュな中盤を投入して、ポゼッションで圧倒して前半のうちに得点を取る事を期待したい。

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