「なでしこジャパンの貫禄勝ち」東日本大震災復興支援・慈善試合 日本女子代表-なでしこリーグ選抜(3-2)

最終的には点差は1点まで縮んだが、ほぼ内容的にはなでしこジャパンの完勝で、最終予選に向けての調整がまずまず順調であることを示した1戦だった。
特に前半のなでしこジャパンは各選手に自信が満ちあふれていて、中盤でボールを持ったら他の選手が迷いなく前線へと駆け上がり、そこに対して早いパスがビシビシと通ってしまう。ボールを持つ選手のルックアップがしっかりしており、ドリブル・キープ・パスの選択に澱みがない。たとえ守備で囲まれてボールを取られても、前線に上がった選手が素早くフォローに入るので相手はカウンターにも入れない。
そして何より特筆すべきは宮間のパス精度。1点目の近賀の得点につながったピンポイントクロスや、3点目のFKで阪口の頭にピタリと合わせる精度は、まさに女遠藤と呼ぶにふさわしい冷静さで、澤と並んで代表には欠くことのできない選手であることを再認識させられた。
ただ、前半のうちに3点を取って、後半から岩清水を下げた事で代表のほうはすっかり各選手の動き出しが鈍くなってしまい、前半とは全く違うサッカーになってしまった事は、仕方ない面はあるとは言えちょっと締まりが無かった。それに、代表でもW杯を勝ち抜いたレギュラーと、出番が少なかったサブとでは経験の差が明らかについてしまっているのも、過密日程となる最終予選のスケジュールを考えたら不安が残る点ではある。
なでしこ選抜の方は、後半に2点を返したとは言えやや寂しい内容だったかな。その中でも、点を取った菅澤選手は体格とパワー、思い切りの良さが印象に残ったし、途中出場の木龍選手も切れの良いドリブルとスピードを見せて、代表に入ってもサブとして使えそうな選手ではないかと思った。
さて、9/1はいよいよ最終予選の第1戦、タイとの試合である。出来ればサブメンバーで勝っておきたい試合ではあるが、この試合で見せた課題を果たして解消した上で試合に臨めるのか。佐々木監督の手腕に注目である。