今日のツールドフランス

第7ステージは逃げ>最後に捕まって集団でガチャガチャ状態スプリントという今年のツールお決まりのパターンで、160kmを単独で逃げたヴェークマンの逃げも集団に吸収されてしまいましたが、ゴール地点がベルギーとフランスに近いドイツの町のカールスルーエとあって、ゴール付近の観衆の数と熱狂が凄かったですね。
そしてゴール前で落車が起こった中で勝利したのはまたもマキュワン。3kmぐらい前からフランセーズ・デジューチームが先頭を引いたのですが引きが弱く、他のチームに次々とかぶせられた挙句全くの混沌状態になったにもかかわらず、きっちりと差し切る動きはさすがというところでした。ボーネンは、後ろにつく列を間違えてかなり前からスプリントせざるを得なかったせいで最後は伸びませんでした。ボーネンは依然としてポイントではトップですが、これから始まる山岳ステージ後の状況はどうなるか。
次の第8ステージは、今年のツールで始めての峠らしい峠がゴール前15kmにあったステージですが、その登りでまずヴィノクロフが仕掛け、次いでモロー、バルベルデといった強豪選手が次々にアタックし、それらにランスは全て反応はしていたのですが最後のクローデンのアタックは黙殺し、クローデンと先に逃げていたヴェーニングが山頂付近で合流して最後まで逃げ切ってしまいました。
ゴールでは最後のほうでは終始クローデンの後ろについていたヴェーニングが文字通りの紙一重の差でクローデンを刺しきり、峠の頂上寸前でクローデンに抜かれたために逃した山岳賞ジャージを忘れさせる、嬉しいツール初勝利となりました。
ゴール地点では結局クローデンはランスらに27秒の差をつけたのですが、ランスはそれに動揺を見せた気配も無く、ランスのマークは完全にヴィノクロフとウルリッヒに絞られているのがはっきり分かったのが興味深いですね。このステージではディスカバリーチャンネルのアシストが全く目立たず、ランスがマイヨジョーヌを獲得してから集団をコントロールしてきて疲労が溜まっているアシストを気遣ったのがという話が出ていますが、果たしてそれが本当なのかどうか。火曜日のクールシュベルでの山頂ゴールではっきりする事は確かでしょう。
そして第9ステージはゴール前55km地点に1級山岳のあるコースでしたが、前日とはうって変わって登りはディスカバリーチームがルビエラを先頭に6人でしっかりとランスの周りを固め、前日はクローデンやヴィノクロフで派手な攻撃を仕掛けられたT-モバイルチームも沈黙をせざるを得ない展開となってしまいました。
レースの方は2つ目の登りでモローやチオーニ、フォイクトといった強力なグループによる逃げが決まり、その中から前日に山岳賞でトップに立ったラスムッセンが快調に逃げて最後の登りを集団に対して9分以上の差をつけ、残りの55kmも難なく逃げ切ってヴィランク引退後のマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュの最有力候補に名乗りを上げる勝利を手にしました。
しかしこれで面白くなったのは総合争いを巡る各チームの動きで、集団に大差をつけたラスムッセンはもちろん、2番手集団のモローとフォイクトが総合タイムでランスを上回る状況になった事で、ディスカバリーチャンネルチームが彼らに対してどういう思惑を持って動いているのかが興味の焦点になりましたね。
この3人はおそらくTTではあまり敵にはなりそうにないし、しかし次のステージが登りゴールと言うことでディスカバリーとしてもマイヨジョーヌを明渡してもさほどアシストの温存にはならないわけで、つまりはどこまで彼らとのタイム差を安全圏として認識しているのかが注目されたのですが、とりあえず3分と言うところで収めましたね。
これで、フォイクトがランスに2分18秒差でマイヨジョーヌ、モローが1分50秒差でリード、ラスムッセンはランスに30秒差に詰めるなど、総合争いでは大きな影響は無さそうですがレースを盛り上げるには楽しい結果となりましたね。2位のモローがフランスの選手なだけに、これからのフランスマスコミの騒ぎぶりにも注目したいところです。明日は休養日ですが、いろんな話題が出てきそうで楽しみですね。