U-22親善試合 日本-ニュージーランド(4-0)

日本はFWが中山と大久保、トップ下松井、中盤が根本、阿部、鈴木、石川、DFが三田、青木、池田の3-5-2。おそらくこれが現時点でのベストメンバーだろう。対するNZは4-3-3。
戯言にも書いたのだがNZは全く強化の相手になっていない。日本のへなちょこFWに全く当たりに行かずに簡単にポストさせ、サイドは石川と根本に破られまくり、裏は簡単に取られ、パスも満足にはつなげない。若い選手が多いらしいが、これほど基本がなっていないのではどうしようもない。
しかし日本もチャンスは山のように築いた割には決定力が無さ過ぎる。相変わらず2トップの役割分担や連携が取れていないし、先制点の根本のクロスは良かったがそれ以外に見るべきクロスがほとんど無かった。フィードも阿部以外はスピードや精度がもう一つで、あまり青木をCBに置いている意味を感じなかった。
良かった点と言えば、守備ではNZのFW相手に競り負けなかった事と、鈴木の精力的な動きを筆頭としたプレス意識の高さが持続できていた事。攻撃では、ミャンマー戦での課題であった引かれた状態からのDFからのビルドアップが、ボランチに当ててからワンタッチで引いてきたFWに当てるというやり方がうまく行っていて、組み立てのオートマティズムが出来てきたのは成長した点だと言える。
後半からは徳永、森崎兄弟、田中を投入して4-4-2にして来たが、解説でも触れられていたように中盤が中に集まりすぎてスペースを潰してしまい、攻撃陣の足が止まる事によってボランチからの球出しが不安定になって危ないボールの取られ方をしてしまっていた。また、CBが2枚になったせいかDFラインのパス回しが安定せず、詰められて不正確なフィードを出すだけになってビルドアップ出来なくなっていた。2点入ったとは言えほとんど試合が崩壊してからの点なのであまり参考にならない。
サブメンバーが増えた事や、オートマティズムの無い即興に近い形だった事は酌量の余地はあるが、世界と戦うには組織が崩壊する事はいくらでもあるわけで、そういう時に「練習してないフォーメーションだからダメでした」というのではトルコ戦の二の舞になってしまう。ミランと死闘を演じたアヤックスのメンバーのほとんどが彼らと同年代なのを考えれば、思わず気が遠くなる話だ。五輪本番ではそれぐらいの選手がゾロゾロ出てくるのである。
勝ったからと言って喜ぶだけで無く、選手はしっかりと課題を把握してJの試合でのより厳しい鍛錬につなげて欲しいものである。