旧閑ガゼッタ

「イブラヒモビッチの抜けた穴は、得点力以外の部分でも影響を及ぼしている」UEFAチャンピオンズリーグ グループA パリ・サンジェルマン-アーセナル

昨シーズンは、リーグアンの開幕から27戦無敗という無敵の快進撃を続けたパリ・サンジェルマン。しかしイブラヒモビッチが去って監督もブランからエメリに交代した今期は、リーグ戦4試合で既に1敗を喫するなど調子に乗り切れていない。そして今週から始まったチャンピオンズリーグでも、アーセナルに対してホームで1-1のドローと冴えない結果に終わってしまった。

ただ、エメリ監督のチーム作りに大きな問題があるわけではない。PSGのフォーメーションは一応昨シーズンと同じ形の4-3-3だが、守備時は4-5-1のコンパクトなゾーンを作り、ボールの位置によって中盤の5人が前へプレスをかけたり、SB横のスペースをカバーしたりという、今年のユーロでも見られた組織化されたモダンな戦術を取り入れていた。

対するアーセナルはお馴染みの4-2-3-1で、しかもビルドアップ時にボランチが下がったりSBが上がったりというスライドをしないので、カソルラとコクランの両ボランチがヴェッラッティとラビオのプレスに晒されて攻撃が組み立てられず、エジルもクリホヴィアクの執拗なマークを受けて身動きが取れず、前半は完全にPSGのペースになってしまった。

そしてPSGは試合開始わずか1分で、オーリエのオーバーラップからのクロスをカバーニが頭で合わせて先制すると、その後もオーリエが何度もアーセナルの左サイドを突破してチャンスを作り、34分にはヴェッラッティのスルーパスをカットしようとしたボールがカバーニの前に転がり、GKと1対1になるがこれをカバーニが外へ外してしまってアーセナルは何とか命拾い。

後半になるとPSGのプレッシングの勢いが落ちてアーセナルが攻撃を仕掛けられるようになるが、20分頃からは再びPSGにチャンスが訪れ、後半22分にはオーリエがサイドへ抜け出してGKと1対1に、その直後には中央突破から最後はカバーニがやはりGKと1対1になるも、アーセナルGKオスピナが獅子奮迅の働きを見せてゴールを許さない。

決めるべき時に決めないと、やはりサッカーの神様はへそを曲げてしまうもので、後半32分にアーセナルは左サイドからエジルが中央に折り返し、イウォビが放ったシュートはGKアレオラが一度は弾いたものの、そのこぼれ球をアレクシス・サンチェスが上手くコースに蹴りこんでアーセナルが同点に追いつく。PSGはゴール前に人を固めて守備の数は十分足りていたが、一瞬の隙をアーセナルに突かれてしまった。

さらに試合終了間際には、ボールの無いところでジルーと小競り合いをしたとみなされたヴェッラッティが、ちょっと気の毒な2枚目のイエローでジルーと一緒に退場を食らってPSGにとっては踏んだり蹴ったりのチャンピオンズリーグ開幕戦になってしまった。

やはりPSG的にはイブラヒモビッチの不在、決定力不足を再認識させられる事になってしまったわけだが、個人的には昨シーズンほどディ・マリアがイキイキしてないのが気になった。確かに今期はカバーニがしっかり中央に鎮座してポジションバランスは取れているんだけど、それゆえにシュートチャンスの数がカバーニに偏り過ぎ、ディ・マリアがサイドに閉じ込められて本来のダイナミズムが活かされていないような気がする。戦術的である事が悪いわけではないが、攻撃はもっと自由な方がPSGの能力が生きるのではないだろうか。