旧閑ガゼッタ

「日本よ、これが正しいスペースの使い方だ」ロシアW杯欧州予選 グループG イスラエル-イタリア

ユーロでコンテ監督が退任し、ヴェントゥーラが新監督になって新しい体制でのイタリアのスタートは、後半10分にキエッリーニが2枚目のイエローで退場を食らい、そこからはイスラエルに攻め込まれながらもブッフォンの好セーブで凌ぐと、最後は一発のロングパスからペッレが頭で流したボールをインモービレがDFのマークを跳ね除けてダメ押しという、いかにもイタリアらしい試合で勝利を収めた。

イタリアはヴェントゥーラ監督になっても3-1-4-2というフォーメーションは変わらず、ユーロと同じようなメンバーと戦い方で、イスラエルのフォーメーションは日本と同じ4-2-3-1。従って、ついついイスラエルに日本を重ねて試合を見てしまった。

イスラエルの4-2-3-1は、ユーロで流行った4-5-1というよりも明確に中盤が2と3で別れたコンベンショナルなタイプ。つまりSHが4バックをあまりカバーしに来ないので、序盤のイタリアはWBがイスラエルのSBのさらに外側に張らせてボールを受け、そこを基点に攻め込んでいた。そして14分に左WBアントネッリのクロスをペッレが押し込むと、30分にはやはり左サイドのスペースでボナヴェントゥーラがドリブルを仕掛け、PA内で上手く倒されたように見せてPK。

中で繋いで開いたサイドで勝負、サイドに相手が集まってくると素早く逆サイドへサイドチェンジ、受け手と出し手のプレスが甘くなるとすぐさまFWへロングパスと、とにかくイタリアはスペースに関して全員がしっかり意思統一され、ゴールから最短距離で逆算してプレイするサッカーが根付いている。ボールを持ってからさて何をしようと考え、結局迷ってパスの出しどころが無くて無駄なキープしたり、近くの選手に短い横パスで預け、プレスを受けてボールを奪われるどこぞの代表とは根本的なサッカー観が違う。

逆にイスラエルはコンパクトでコレクティブなサッカーをするのだが、ワイドに攻めるイタリアに守備の狙い所が定められず、攻撃では手数がかかってしまってイタリアの早い戻りに攻め切れずと、前半の途中まではイタリアに横綱相撲をされていた感があった。が、イタリアにとって誤算だったのはキエッリーニの大ブレーキで、35分にキープミスからボールを奪われてブッフォンも反応できない見事なループシュートで1点差にされると、後半10分に2枚目のイエローで退場してしまう。

そこからはイタリアはイスラエルの猛攻を受けるのだが、イタリアのWBがサイドのスペースをしっかりカバーしているので、イスラエルの攻撃はミドルシュートが中心になって、サイドを破られるシーンは最小限に抑えていた。やはりここも、勝っているのに不用意にSBが上がってピンチを作られる日本に比べて、守備でもスペースに対するリスク意識が高い。

ハリルホジッチ監督の戦術が云々と言われているが、監督が交代しても全く変わらないイタリアを見ると、やはりその程度のコモンセンスであれば、代表に名を連ねる選手であれば全員が等しく持っていてしかるべきだよなあと再認識させられる。いちいち代表の試合ごとに戦術練習を繰り返さなくても、ほっといてもちゃんとゾーンディフェンスが形になる時代が来て欲しいものだ。