昨日はリオ五輪サッカーの結果を忘れるために(嘘)、朝からプールに行って結構ガッツリ泳いだので夜はヘロヘロ、この試合も途中で寝落ちしながら見ていたので雑感のみで。
ゾーン・ディフェンスの使い手である松田浩氏がナショナルトレセンのコーチになったおかげなのか、フォーメーションは東京の4-2-3-1と清水の4-4-2という違いはあるものの、どちらも守備時は4-4-2のゾーン・ディフェンスになっており、今やJユースでも高校でもゾーン・ディフェンスを当たり前に使うチームが本当に多くなったなと感心する。
ただ、リオ五輪で日本が欠点を露呈してしまったように、単にゾーンを作るだけでボールを奪いに行く守備まで出来ているチームは少なく、この試合はそれがある程度出来ていた東京と、前に出てプレッシャーはかけるんだけど体を当てるまで行かず、単にボールを下げさせるだけの守備しか出来ていなかった清水という差が、勝敗を分けてしまったように思う。
この前半32分のゴールも、カウンターからドリブルを仕掛ける東京の生地君に対して、清水の選手は競り合ってドリブルを止めながらも、そこで見合ってしまって簡単にサイドチェンジを出されてしまっている。そして44分の半谷君による2点目もボールホルダーへの寄せが甘く、その割にラインを上げてしまっているので裏へ抜けだされてしまった。
今はピッチを自ゴールに近い方から3つのゾーンに分け、ボールがどのゾーンにあるかで守備のやり方を変える事が常識になっていて、2点目の場面の清水のように、ラインを上げて攻勢に出るような状況では、相手のCBやボランチがゾーン3でビルドアップするような場面では、前線の選手がボールを追って中盤の選手は相手の中盤をマーク、DFはFWの位置とプレスのかかり具合を見てオフサイドラインにかけるかマンマークをするかの判断をしないといけない。
リオ五輪ナイジェリア戦の3失点目で、相手のロングボールに対して塩谷はマークに行ったけど、他のDFはオフサイドを考えたのか全く動かなかったが、ボールホルダーがフリーだったので塩谷の対応は決して間違っていたわけではない。問題は、チームとしてそういう状況でオフサイドを取りに行くのか、あくまでマークを優先するのかという意思統一が出来ていなかったことにある。
日本の育成にゾーン・ディフェンスが浸透してきたのは喜ばしい事だが、まだそれは世界に追いつくためのスタートラインに立っただけに過ぎないと痛感させられるこの2日間だった。
サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 [ 松田浩 ]
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