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「テーマはズバリ”ゾーン・ディフェンス対決”」東アジアカップ男子 韓国戦展望

昨日のTwitterで、何故日本にはゾーン・ディフェンスが根付かないのかという点について一席ぶってしまったのですが、「そういやハリルホジッチもゾーン・ディフェンスを重視する監督だったっけ」と今更ながらに思い出しました。

つまりそれだけ、東アジアカップの北朝鮮戦がゾーン・ディフェンスとはかけ離れた試合になってしまっていたという証という訳なんですな・・・(苦笑)

確かに良く考えてみれば、ちゃんとボールの位置で4-4-2の3ラインがポジションバランスを取りつつ上げ下げするゾーン・ディフェンスが組織されていれば、あれだけ北朝鮮にセカンドボールを拾われる事も無かったし、ロングボールやクロスも簡単には上げさせないようにプレスがかかるはずです。

そもそも、ゾーン・ディフェンスというのは第一にボールの位置、第二に味方の位置によって自分のプレイが決まる戦術であり、選手個々の判断を必要とするのは第三の優先順位にしか過ぎないわけなんですよね。北朝鮮戦後に、槙野や山口が速いサッカーだけじゃなくてもっとボールを回さないと語っていたそうですが、そもそもゾーン・ディフェンスに「回す」という概念は存在しません。

「ディフェンス」と書いているので、あくまで守備のための戦術のように思われますが、実はゾーン・ディフェンスとは攻守一体となった戦術でもある事が意外と知られていなかったりしますが、ゾーン・ディフェンスにとって攻撃の溜めの時間を作るとは、原則的には高い位置を取る逆サイドへのサイドチェンジが主になります。

サイドの高い位置で基点を作れば、必ず相手のDFラインはそこまで下がらざるを得ません。そうして相手のプレスラインを下げつつ、オーバーラップするなり中への飛び出しに繋ぐなりというのが基本形で、決して忙しく前後に走ってスルーパスを狙うだけのサッカーではありませんし、ハリルホジッチも北朝鮮戦前半のような慌ただしいサッカーばかりを狙っているわけでは無いはずです。

ただでさえユース時代にまともな戦術訓練を受けていないプラチナ世代中心、その上なんちゃってゾーンのガンバ、ブラジル路線のセレッソ、守備戦術何それ美味しいの?の川崎など、本来のゾーン・ディフェンスをやってないクラブの中盤が揃った中盤、そして戦術練習をしている時間が無かった北朝鮮戦でまともなゾーン・ディフェンスなどもとから出来るはずなど無かったわけです。

戦術練習をする時間が無いのを分かっているのに、何故ハリルホジッチがそんなメンバーを選んだのかは正直分かりませんが、少なくともオシムチルドレンのような戦術への浸透度を優先したわけでは無いのは確実で、確かに北朝鮮戦では負けて愚痴を吐いてましたが、勝敗では無いところに監督の主眼があったのは間違いないでしょう。

今回は中2日とは言え少し時間があり、先発が予想されている米本、藤田はまだクラブで多少はゾーン・ディフェンスの経験がある選手です。そして対する韓国はシュティーリケ監督がずっとゾーン・ディフェンスを採用しており、習熟度については一日以上の長があります。明らかに厳しい試合にはなるでしょうが、それだけに各選手の戦術意識がはっきり見える試合になるはずです。北朝鮮戦では戦術を理解出来ていなかった選手の変化にも注目したいです。

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