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「何故FCソウルはガンバに腰が引けていたのか」ACLベスト16第2レグ ガンバ大阪-FCソウル

柏と同様に、第1レグのアウェイ戦でリードして迎えたガンバホームでの第2レグ。しかし相当な苦戦となった柏とは違って、ガンバは前半のうちに2点を決めてほぼ試合を決定づけ、後半に2点を返されたものの結果的には3-2で連勝、トータルでは6-3という余裕のある勝ち抜けとなった。

そのポイントになったのはソウルの出方。柏と対戦した水原三星は、試合開始から柏に対して激しいハイプレスを仕掛け、柏を自陣に張り付けさせて一時はスコアをひっくり返すまで追い詰めたのだが、何故かソウルはあまり前に出て来ず、人数をかけて守った割にその守備の間から宇佐美にクロスを通され、決定的と言えるパトリックのゴールを決められてしまった。

もう1つ不思議だったのは、水原は柏の中盤を潰すためにほぼマンマークのような形でパスを封じ込めたのだが、ソウルは宇佐美を警戒しすぎてなのか攻撃のタクトを振るう遠藤に対するプレッシャーが無く、ガンバは遠藤がボールに触ると全員が安心して前に上がって来るので、それが結果的にパスコースの増加に繋がってソウルのプレスがいなされるという、ガンバにとっては好循環が生まれていた。

2点目を決められてからは、ようやくソウルも3-4-3の3バックにフォーメーションを変更し、DFのキム・ドンウを前線に上げてほぼ4トップのような形で前がかりになったのだが、何故か前半と変わらずボランチの2人がゾーンを守ったままあまり動かず、4トップへのボールをガンバが跳ね返した後のセカンドボールを失う要因になっていた。そしてガンバは遠藤を経由してショートパスで時間を作り、再び守備陣形を整える。これではガンバを崩す事は出来ないのは当然である。

サッカー界では、何故か現役時代は攻撃的だった選手が監督になると守備的サッカーを指向したり、自由なプレイをしていた選手が徹底的に組織サッカーをしたりと、えてして監督になるとサッカーの方向性が逆になるパターンが多いのだが、チェ・ヨンス監督もその例に倣ってしまっているのだろうか。

注目の宇佐美については、パトリックへの素晴らしいアシストはあったがゴールは無し。3回ほど左から中に切れ込んでからシュートを打つ場面があったにも関わらずボールはGK正面に飛んでしまい、今日は彼の日では無かった。交代で退く時に試合を観戦していたハリルホジッチが拍手していたのが興味深かったね。

ただ、ガンバは今野がイエローカードの累積で、準々決勝の第1レグを欠場する事がほぼ確定してしまった。調子がいまいち上がって来ない遠藤をサポートし、前半戦のガンバを復活させた立役者と言える選手が居なくなるのは極めて痛い。まあチーム全体の調子が上がっているので、今野が抜けたからと言ってシーズン序盤のような絶不調に陥ることは無いとは思うが、準々決勝が行われる8月まで多少時間があるので、新戦力を含めて層の厚みを増やす努力が必要だろう。

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