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「倉田の後半投入で一気に宇佐美と藤春の代表組が輝く」 ACLベスト16第1レグ FCソウル-ガンバ大阪

ガンバのACLベスト16の相手は、グループHの最終戦で鹿島を破って決勝トーナメントに進出したFCソウル。しかしガンバは後半ロスタイムに無駄な失点を喫してしまったものの、宇佐美の2ゴール、藤春の2アシストと代表組の活躍で3-1と快勝、前日の柏レイソルに続いてホームでの第2レグに向けて大きなアドバンテージを手にした。

ソウルのチェ・ヨンス監督が取ってきた作戦は明確なカウンター狙い。3-1-4-2という中央とバイタルを固めたフォーメーションでガンバの攻撃を弾き返し、一気のカウンターから全体が押し上げ、ガンバがカウンターを止めてもセカンドボールを拾って畳み掛ける、まさにJリーグホイホイと呼べる戦術で、試合の前半は狙い通りにガンバをシュートゼロに押さえ込んだ。

ガンバは頼みの遠藤と宇佐美にいまいち切れがなく、ボールはキープできるもののそこからのパスをカットされる場合が多く、かと言ってドリブルでボールを前進させるわけでも無くと、ソウルの速い守備への戻りに対してほとんど為す術がなかった。そして右SHの大森が大ブレーキで、周りの選手と呼吸が合わずにオフサイドだったりパスに届かなかったりとチグハグなプレイに終始。シュートが出来る場面でもわざわざ中の密集にパスを出してやすやすカットされるなど、自信の無さも目についた。

ただソウルにとって誤算だったのは、せっかく数的優位の状態でファイナルサードまで攻め込みながらもパスミスが多かった事で、ガンバも人数が揃っていればゾーン・ディフェンスが安定していたし、チャ・ドゥリの突破には何度か脅かされたがDFの選手も粘り強く対応が出来ていたので、ソウルの決定的なシーンは前半35分に中央からフリーでコ・ミョンジンにミドルシュートを打たれた場面ぐらいだった。

後半になると長谷川監督は出来が悪かった大森に代えて倉田を投入。するとこの采配が大当たりで、守備に引き過ぎる事が多かった大森に対して倉田は積極的に前へと出て行き、そこで基点になる事で藤春がオーバーラップする時間とスペースを作り出し、それによって閉塞していたガンバの攻撃がようやく活性化する。

そして後半17分、左サイドの狭いスペースで倉田とのコンビネーションで藤春が抜け出し、マイナス気味のクロスを中央にいた宇佐美がテニスのように見事なボレーでソウルゴールに突き刺し先制点をゲット。そして28分にも、やはり藤春の突破からのクロスをファーサイドに待ち構えていた米倉がダイレクトで叩いて2点目。

当然ソウルは攻勢を強めるが、ガンバの運動量はそれほど落ちずにゾーン・ディフェンスは破綻せず安定感を保ったまま。さらに後半41分に遠藤からのパスを中央で受けた宇佐美が中央へ切れ込むドリブルを開始、相手DF2人を引き連れながらも股を狙ったシュートが上手くゴール隅に転がって3点目。しかしロスタイムにクロスのこぼれ球からのミドルをGK東口が手に当てながらも後逸して失点し、いささか後味の悪い結末になってしまった。

これでアウェイゴールによってソウルはガンバホームの第2レグで最低3点は取らないといけない羽目になり、ガンバは相当有利な立場になったわけだが、柏と同様に相手のクロスに対する詰めが甘くてフリーで蹴らせる場面が多かったのと、後半は持ち直したとは言え相変わらず遠藤に安定感が無いのが気がかりである。次の試合では前半をミス無く集中して相手をゼロに抑える事をめず目指してもらいたい。

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