旧閑ガゼッタ

「香川はますます遠藤・イニエスタ路線をひた走っている」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 ボルシア・ドルトムント-シャルケ04

ともに不本意なシーズンとなってしまった昨年とは異なり、今年は2位と4位の好調同士で対戦とあって非常に盛り上がったレヴィア・ダービー。ドルトムントはロイスがまたしても怪我をしてしまってカストロが右ウイングに入ったが、それ以外はお馴染みのベストメンバーとフォーメーションで臨んだ。

ここまでリーグ戦11試合で32得点と圧倒的な攻撃力を誇るドルトムントに対してシャルケが取ったフォーメーションは、フンテラールとサネを2トップにした4-4-2で、チュポ・モティングかサネが入る事が多い右SHにはディ・サントを配して来た。

その狙いは、おそらく左サイドでドルトムントの攻撃の基点になっているシュメルツァー封じ。チュポ・モティングよりもスピードと運動量があるディ・サントにシュメルツァーをマークさせ、サネがシュメルツァーの上がったスペースを狙うという形だろう。

試合は、そんな形でドルトムントのウイングとSBにシャルケのSBとSHがきっちりマークに付き、センターはゴレツカとコラシナツがバイタルエリアに入り込もうとするドルトムントの選手を逃さずマークし、ドルトムントはなかなか得意のパスワークが発揮できない。香川もあまり無理して攻め込まず、ボールを動かしながら相手の隙を伺うジリジリした展開が続く。

堅くゾーンをパックしているシャルケに対してドルトムントが取った策は、ムヒタリアンとカストロの自由な攻撃参加であった。前半の30分に、左ウイングのムヒタリアンが右サイドでパスを繋ぎ、数的優位を作ったところでカストロが裏抜けしたギンターにパス、このクロスを中で待ち構えていた香川が相手のマークをずらしてのヘディングを決めてドルトムントが先制する。

が、その直後にボールを奪ったフンメルスが相手にミスパス、ゴレツカがすぐさま右サイドを走るサネにパスを出すと、慌ててソクラティスがカバーに行くもののサネのスピードに振り切られ、折り返しをどフリーのフンテラールに決められてしまう。これも、シャルケの当初の狙いがズバリと当たった形であった。

しかしドルトムントも後半開始すぐに、中盤でボールを奪ってすぐヴァイグルが縦パス、ムヒタリアン、カストロと繋いで最後はスルーパスをオーバメヤンがファーサイドに落ち着いて流し込んで再びリードする。その後はドルトムントの時間帯が続き、後半9分には右サイドに飛び出したオーバメヤンから中央に待ち構えるムヒタリアンに決定的なクロスが渡るが、シャルケGKフェールマンが鋭く飛び出し、体でシュートを防ぐスーパーセーブ。後半24分にもCKからソクラティスの至近距離からのヘッドもフェールマンが防ぐ。

すると2分後、フンメルスが前に出てアタックするものの、こぼれ球を拾われて裏に抜けだされ、クロスをソクラティスがクリアミス、ボールはフンテラールの足元に転がり、GKビュルキの飛び出しをうまく浮き球で交わす技ありのシュートを決められ、ドルトムントが何度も決定機を逃している間に1点差に追い上げられてしまった。

普通ならここで多くのチームが慌ててバタバタしてしまうところだが、それを救ったのが香川の落ち着きだった。シュメルツァーがWBの位置に常時上がっているため、香川はほとんどSBのような位置でビルドアップに参加。他のDF陣がちょくちょく危ないミスパスをしていた中で、香川はだけは別次元の落ち着きを見せて中盤を動きまわってパスコースを作り、着実にボールを回してシャルケの勢いを削いでいた。そして守備での1対1もまるで守備的ボランチかのようにアタックを仕掛け、ほとんどの場合で勝利していた。そして試合はそのまま3-2で終了。

まるで遠藤のように試合をコントロールしていたこの試合での香川を見ると、相変わらずトップ下で起用しようとしている代表でも、4-2-3-1以外に香川と清武をインサイドハーフにした4-3-3を試してくれないかと切実に思う。まあ、世界レベルでアンカーを務められる選手はいないけど、アジア相手なら長谷部や山口でも大丈夫だろう。きっとそういう質問をハリルホジッチは喜ぶと思うので、誰か記者の方が会見で質問してくれないだろうか?