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「このドルトムントは、ハリルジャパンにとっての手本じゃなくて反面教師」ヨーロッパリーグ グループC PAOKサロニカ-ボルシア・ドルトムント

昨晩は、香川は出場していなかったけど主力を5人も温存したドルトムントがどういう試合をするのか興味があって、ギリシャのPAOKサロニカのホームで行われたヨーロッパリーグの試合を見てみた。

ドルトムントのフォーメーションは、1トップのロイスにウイングがヤヌザイとホフマン、中盤はカストロ、ヴァイグル、ムヒタリアンという並びで、DFがパク・チュホ、ベンダー、スポティッチ、ピシュチェクの4-3-3。対するPAOKは実質5バックの3-5-1-1で、前線はベルバトフとマクーが縦関係の並びのようになっていた。

確かにフォーメーションこそ一緒ではあったが、ドルトムントはやってるサッカーの内容が全く違っていた。いつもであれば、ビルドアップは香川とギュンドアンが多く絡み、ウイングも中に絞ってパスコースを作りながら、出来たスペースをSBがオーバーラップして香川から大きなサイドチェンジが飛んで来るといったように、常に縦横のポジションチェンジと1つ飛ばしのパスによって攻撃が組み立てられている。

しかしこの試合ではヤヌザイ、ホフマン、ムヒタリアンが最初から前線に張り付いた状態になっており、カストロも高い位置にいるので中盤はヴァイグルがぽつんと1人、ビルドアップはインサイドハーフではなくてパク・チュホらSBとの間で行われ、ボールは同サイドのウイングへと足元を回される形がほとんどだった。つまり、ポジションチェンジも飛ばしのパスも無いという正反対のサッカー。

当然、カウンターを食らう危険度は増してしまうわけで、ドルトムントが失点した場面も、相手が右サイドに出して来たボールにパク・チュホが当たりに行くのだが、中盤ではヴァイグル1人が相手をマークしているのみ。そのままヴァイグルはパク・チュホが出た裏のスペースを使うマクーの動きに釣られてしまい、真ん中には広大なスペースが出現。そこに相手が入って楽々とパスを繋ぎ、フリーになったマクーがそのままサイドを突破してゴールと、いかにも前がかりになって守備が手薄になった典型的なやられ方だった。

とここまで書けば分かる通り、まさに日本代表の悪いパターンと全く同じであり、特にシリアは今までの相手とは違って前線にスピードと決定力のある選手がいるわけで、日本代表が同じような失点を食らっても全く不思議ではない。つまり逆に言えば、常に攻めるスペースを残して縦のポジションチェンジを使い、1つ飛ばしの大きなサイドチェンジを利用するという事がシリアにも有効になるという事でもある。

週末はいよいよバイエルンとの決戦が待っているが、そこで内容と結果をしっかり出して、自信を増した状態でドルトムントのサッカーを日本代表に還元してくれる事を香川には期待したい。

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