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「浦和は2ステージ制を逆手に取った対策を視野に入れるべきかも」J1 2ndステージ第5節 浦和レッズ-ヴァンフォーレ甲府

今年のJ1 1stステージを無敗で駆け抜け優勝を決めた浦和は、2ndステージに入ると急激に失速して4節までに2敗を喫し、第5節のホームでのヴァンフォーレ甲府戦でもリードしながら追いつかれ、浦和はまたも勝利を挙げることが出来なかった。

最近の浦和は選手が固定され気味で夏場の疲れが出ている事と、やはり1stステージを優勝した気の緩みという要因が大きいのだろうが、各チームがミシャ監督の戦術を研究して対策を施して来ているという面も少なからずあるのではないかと思っている。

この試合での甲府のフォーメーションは3-4-3。以前にも指摘したがブラジルW杯でオランダが採ったシステムに良く似ており、守備時はWBがDFラインまで下がって5-4-1のゾーンを作って待ち受ける形になる。そして5バックが相手の縦パスに対して厳しくマークし、中盤の4人で挟み込んでボールを奪うのが基本形だ。

ただ、この浦和戦に関してはその戦術をマイナーチェンジしていた。浦和の戦術は、攻撃時にウイングが中に絞ってWBが高い位置に張る3-2-5のようなフォーメーションになるのだが、甲府の5バックはそれにほぼマッチアップする形でマークに入っていた。そして中盤の4人は無理に5バックへのサポートに下がらず、常時ラインを保持して5バックとの距離をコンパクトに保っていた。

これにより、浦和は甲府の作ったゾーンの中になかなか縦のボールを送り込めず、何とかサイドで基点を作ってからゾーンの中央に走りこむ選手につなげてチャンスメイクをしていたが、甲府のDFはマークに行くよりもゾーンを埋めてシュートコースを防ぐ事に比重を置いていたので、浦和のシュートは崩しきる一つ前に打たれるパターンが多く、甲府のGK河田の鋭い反応にことごとく防がれてしまった。

それでも浦和は前半38分に、ガンバ戦に引き続いて甲府にとっては厳しい判定でPKをゲットして先制点を挙げたのだが、後半の序盤にあったチャンスに決めきれず、逆に25分にはカウンターから独走した伊東純也に同点ゴールを決められてしまったのだが、そのカウンターになったシーンも浦和のシュートが防がれた場面からと、決定力不足が大きく足を引っ張ってしまった格好。

浦和は失点した8分後に、足を痛めた柏木が負傷で交代すると、そこからはサイドへの配給リズムが悪くなり、終盤は甲府を押しこむものの得点を決められず、終了間際にまたもカウンターから阿部拓馬に逆転ゴールを決められそうになるが西川がかろうじて足で食い止め、試合はそのままドローで終了。

1stステージ優勝の立役者だった柏木が負傷、しかも代表も招集辞退という結果になり、連戦で疲れた選手も東アジアカップでまた連戦と、浦和にとってはまだまだ試練の道が続きそうである。表立っては言えないだろうけど、2ndステージについてはある程度割りきって新戦力の底上げに切り替えたほうが良いのかもしれない。

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