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「微妙なPK判定ではあったが、玉乃氏がおかしいと言うほどではないかな」J1 2ndステージ第1節 ガンバ大阪-ヴァンフォーレ甲府

昨日はツール・ド・フランスが休養日だったので、心置きなく(?)サッカーを録画観戦。選んだのは、1stステージでは序盤のもたつきが祟って浦和に追いつけなかったガンバと、佐久間監督への交代後はリーグで負け無しと好調な甲府との試合。

結果は試合終了間際にガンバがPKを決めて勝利したわけだが、この判定にはかなりの物議が醸しだされていたのでチェックしてみたところ、ポイントとなるのは甲府のGK河田がパトリックに体当りしたのは確実として、その前にパトリックが振り上げた足が河田に対する危険行為と取るかどうかだろう。ボールには先にパトリックが触っているので、審判が危険行為を取らなかったらPKである事には変わりない。個人的には確かにタイミングが微妙ではあるけど、ガンバホームの試合である事を考慮すれば、そこまで理不尽な判定では無いと思った。

この判定に対して、試合で解説を担当していた玉乃淳氏が執拗に意義を唱えていたが、明らかな誤審であるならともかく、微妙な判定に対してここまで一方的な見方をするのはミスリードっぽくてどうかと思った。代表戦で「おーい!ファールだろファール!」と叫ぶ松木安太郎氏の場合とはTPOが違うからね(笑)。

さて試合内容のほうは、現在好調の甲府の方について注目して見ていたのだが、一言で言えば良い意味でやっている事がシンプルだなと思った。

ベースの戦術はブラジルW杯オランダ式の5バック。守備時は比較的低い位置に5-4-1の形でゾーンを組んで待ち受け、3バックは相手のFWへの縦パスに早いタイミングでアタックしてポストプレイを許さず、中盤の4人でサンドしてボールを奪って速攻を狙う。そしてマイボール時には、WBが高い位置に上がるのはもちろん、時々は右CBの土屋までボランチの位置まで上がる2バックのような形になり、1トップの伊藤も頻繁にサイドに流れて基点になるなど、とにかくサイドで数的優位を作って素早いパス交換で繋いで来る。

前半のガンバはこの甲府のサッカーに手を焼き、前線でパトリックと宇佐美が激しくマークされて基点を作れずにいると、9分には甲府がボールを奪ってから阿部拓馬へシンプルにボールを出し、阿部はうねるようなドリブルで米倉と丹羽を置き去りにすると、ゴール右隅に決めて甲府が先制点を奪う。

しかしガンバも前半の30分頃から、宇佐美の突破で甲府の守備を中央に引きつけつつ、大きなサイドチェンジやクロスで甲府の3バックの外にあるスペースを使い出すと、試合の流れはガンバに傾き始める。そして34分に藤春のクロスをパトリックがヘディング、シュートはGK河田が手に当てるもののボールは真上に飛んでゴールの中に。

同点で迎えた後半は主にガンバのペース。前半はなかなか入れなかった甲府のゾーンに、倉田や遠藤が入って来てボールを繋ぎだし、甲府はなかなかDFラインを上げられない。そのうちどちらもスペースが空いて甲府も途中投入したバレーの強引なプレイでチャンスを作り出すも、最後は前述のPKで決着した。

甲府は確かに良いサッカーはやっていると思うが、よくも悪くも戦術の狙いが単純で、縦には強いが横の揺さぶりには弱みを見せただけに、コンディションが落ちて相手が研究して来る夏場をどう乗り切るかが残留のポイントになりそうだ。ガンバは相変わらず、攻撃のスイッチが入れられる宇佐美と遠藤の調子次第だろうねえ。

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