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「ハノーファーの策に潰された細貝と原口」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 ヘルタ・ベルリン-ハノーファー

ヘルタの細貝と原口、ハノーファーの清武と酒井宏樹の4人がともに先発するという、ブンデスはもちろん欧州でも初めてとなった日本人4人ダービー。しかし内容も結果もヘルタの2人にとっては厳しい試合になってしまった。

ヘルタは夏に加入した、フェイエノールト時代に小野と同僚だったサロモン・カルーが4-1-2-3の1トップで原口が左サイド、細貝がアンカーで先発したのだが、ハノーファーはフラット気味の4-4-2にして清武をFWのような位置に置いて来たために、本来は清武をマークするはずの細貝がDFラインに吸収され、空いたバイタルをハノーファーに使われるという裏目状態。

そうなると原口も守備に戻らざるを得なくなり、もともと攻守の切り替えが早い方ではないので攻撃に顔を出せず、しかもカルーがいったんボールを持ったらドリブルシュートしかやらず、原口が得意のドリブルを繰り出す場面がほとんど見られなかった。それでも前半は2度ほどチャンスを作りかけたが、後半になって右サイドに回ってからは完全に沈黙、74分にヴァグナーと交代。もっと自分の個性を試合で出していかないと今後も厳しいだろう。

そしてルステンベルガーも含めて、ヘルタの2列目がそういう状態では当然前方でプレスがかからず、細貝のプレイも空回り気味になってパスコースも少ないのでミスが増え、パス成功率対人ともに5割以下と、シーズンが始まってからおそらく最も低調な出来に終わってしまった。ヘルタは全体的にチームの出来が悪く、ハノーファーに上手く研究されていた感がある。

1得点1アシストの清武は、今までだったらほとんど中盤でパスをさばくプレイに終始して時々バイタルエリアでキラーパスという仕事だったのが、この試合ではまさに4-4-1-1のトップ下という感じで、バイタルを主戦場として頻繁にDFラインの裏へ飛び出してみたりと、プレイエリアが10m前に上がって得点への意欲を強く感じるようになった。得点の場面も、カットインしてからシュートまでぎこちなかったし、GKの手をかすめるなどシュートコースも甘かったが思い切り蹴った事が結果につながった。清武の問題は技術よりもメンタルだと思うので、このまま波に乗って壁を破ってほしい。

酒井は相変わらずミスもあったが前半は原口を抑えこみ、後半は何度か良いオーバーラップをするなどまずまずの出来。彼も清武に続いて、守備とオーバーラップだけの選手から内田のようなマルチプレイヤーにと早く壁を破ってほしいんだけどね。

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