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「原口が得点に絡めなくなってしまった、ヘルタの思わぬ戦術変更」ドイツ・ブンデスリーガ第29節 ヘルタ・ベルリン-ハノーファー96

チャンピオンズリーグ圏内に付けている3位ヘルタが、既に2部降格は濃厚となってシャーフ監督を解任、U-19の監督だったシュテンデル氏を急遽登用した泥沼ハノーファーをホームで迎えた試合。

常識的に考えれば、ヘルタにとっては楽勝になってしかるべき試合ではあり、実際にヘルタは開始わずか3分にスローインから左サイドを破ってクロスをイビシェヴィッチが合わせて先制するも、意外にもそこからハノーファーらしくない反撃が始まった。

ハノーファーは、前任のシャーフ監督が就任してから色んなフォーメーションや選手起用を試して結局これといった形が定まらず、攻守において清武の負担が増して試合途中でチームが壊れてしまう内容が続いていたが、シュテンデル監督ははっきり4-4-1-1の形で固定し、若手のアントン、サレンレン・バゼーを起用し、特にサレンレン・バゼーは黒人特有の身体能力で、それまで清武に頼りきりだった前への推進力をチームにもたらし、攻撃を活性化させた。

そして6分にポストを叩くチャンスを作ると、18分にはこの日1トップで先発したソビエフとのコンビネーションから、清武が左に出すと見せて右にいたソビエフにノールックパス、これをソビエフが落ち着いて流し込み同点、後半13分には交代で入ったカラマンがスルーパスから抜け出し、中へ切れ込んだシュミデバッハが合わせて逆転に成功。

この間、ヘルタの原口は全く攻撃で目立たず。その理由は、本来なら外に開くことが多い原口がインサイドハーフのように最初から中に入っていて、右SBのプラッテンハルトがほとんどSHのようにプレイしていた事にある。前節はボルシアMGの前に0-5と大敗していただけに2バックにして攻撃的に行きたかったのかもしれないが、それによって原口の守備負担が増し、今まで連携が取れていた攻撃もおかしくなってしまった。

後半12分にダリダを投入し、その直後に失点してしまったが、これでトップ下で埋没していたカルーが右ウイングになって攻撃に絡めるようになり、原口もサイドでプレイする機会が増えてヘルタが盛り返し、後半27分にシーバーのクロスをハノーファーのDFがクリアミス、これを拾ったカルーが上手く押し込んでヘルタが同点、その後もヘルタが疲れの見えるハノーファーを押し込むも決定力に欠けて勝ち越しならず、試合は2-2のドローで終了した。

ヘルタの謎の戦術変更によって助けられた面はあったものの、ハノーファーにとっては遅すぎるとはいえ、来期に向けてようやく光明が見える試合になったのではないだろうか。おそらく2部になったら清武とツィーラーはチームを離れてしまうだろうが、この監督であれば選手の戦術理解が進みそうな気がするし、山口蛍はそのまま残っても良いような気はするけどね。

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