旧閑ガゼッタ

「MAJIMEと聞けばあの男が帰って来る」ブラジルW杯グループリーグ・コートジボワール戦展望

しかし4年間という時間は本当にあっという間で、ついこの間に原さんが監督探しに欧州へ渡ってやきもきしていたはずなのに、とうとうブラジルW杯の初戦がやって来てしまった。

ザッケローニという、欧州では既に終わった監督という評価がされつつあった人物に託して出来上がった日本代表が、まさかの前期岡田ジャパン、「接近・展開・連続」の進化形になろうとは、本当に想像だにしなかった結果である。

ただ、前回も述べたように3-4-3を得意としていたイタリア監督であるザックの本意は、攻撃時にはなるべく早くワイドに展開し、そこから素早く中へとつなぐ形であり、ワイドでありつつもポジションバランスをキープして攻撃から守備への切り替えを早くするスタイルであるはずだ。

それは決してショートパスを繋ぎたい本田を中心とした攻撃陣と相反するものではなくて、選手の好きに放っておくとセルビア戦のようにチマチマした緩いパスをかっさらわれてのカウンターになってしまう危険性を、しつこくザックのコンセプトを選手の頭に入れておく事により攻撃ベクトルのバランスを取っているのではないだろうか。

つまり以前に書いたように、ザックの指示通り相手を研究した戦術をベースに、守備への戻りを重視したバランスサッカーがMAJIMEモードで、選手が自由にポジションチェンジをしながら各自が近い距離を保ち、ワンタッチパスを回して攻めるのがHENTAIモードと呼べるわけで、その使い分けが今大会のカギを握るのではないかと思っている。

当然ながら、コートジボワール戦は相手が疲れてくる後半勝負であり、前半は組織戦術で相手のフィジカルパワーサッカーを抑えるMAJIMEモードでスタートし、後半になって日本がイーブンかリードされている状態であれば、日本の真の姿であるHENTAIモード解禁という形になるのではないか。

その場合のメンバーは、やはりMAJIMEと言えば外せないミスター心の整頓が先発復帰し、山口とでインテンシティの高いダブルボランチを組む。SBは経験のある長友と内田で鉄板、CBは高さ重視なら吉田と森重、スピード重視なら吉田と今野という組み合わせ。前線は、真面目にポストの仕事をこなす大迫を持って来るか、もしかすると岡崎を1トップで右SHを清武にした中盤重視で来るかもしれない。もちろん香川と本田は変わらず。 そしてボランチの1人から遠藤への交代がHENTAIスイッチを入れる合図で、状況によってはさらに柿谷、大久保を投入してHENTAI度をアップという流れでいかがだろうか。

戦術的なポイントとしては、やはりヤヤ・トゥーレやドログバといったフィジカルモンスターをゴールから遠ざけて置く事が重要になる。もしPAの中でキープされてしまうと、2人、3人がかりで行かないとゴリゴリ突破されてしまうだろうし、彼らに人数をかけてしまうとその分周りの選手がフリーになってしまう。特にヤヤ・トゥーレは正確なショートパスを出す判断と技術があるので極めて危険だ。

ただ、彼らのDFとボランチにはビルドアップという概念が無いので、前線へボールを運ぶ手段はほぼロングボールのみ。なので、日本は高さで競り負けたりザンビア戦のようにサイドで基点を作らせてしまった場合は、2列目の選手が必ず戻ってセカンドボールの支配を防がなけれなならない。ヤヤ・トゥーレに次ぐキーマンであるジェルビーニョは両サイドでプレイするしセンターへの走り込みも得意なので、単純に長友だけがマークしてどうなる存在でもない。前線からのプレスと連動したラインの押し上げで牽制しつつマークの受け渡しを正確に行う連携が必要だ。

日本の攻め方としては、強化試合で見たようにコートジボワールの2列目はプレスバックをほとんどやらないので、1ボランチの両脇のスペースで基点を作って逆サイドの選手が飛び出す形で攻めきりたい。逆に、2列目が戻らないと言うことはカウンター時の前残りになると同義なので、日本がDFラインから前線にボールが渡る前にカットされると大ピンチになってしまう。厳しい体制ではつなぐ事を諦めてロングフィードに切り替えるリスク管理が求められる。

そういう意味で日本のキーマンになりそうなのが内田と川島。コートジボワールがザンビアと同様に右SBのボカから左に飛んで来るサイドチェンジを多様して来るので、ここをどう抑えるかと、やはり裏への飛び出し勝負になる場面は増えるので、川島の勇気を持った飛び出しと反応が必要になるだろう。