旧閑ガゼッタ

「”自分たちのサッカー”だけではドイツだって自滅する」ロシア・ワールドカップ グループF 韓国-ドイツ

いや、確かに韓国がドイツに2-0で勝てばグループリーグ突破の可能性はあったんだけど、まさか本当にその通りのスコアになるとはいったい誰が想像しただろうか。結果的に、メキシコがスウェーデンに負けたために韓国の望みは潰えてしまったのだが・・・

さすがに崖っぷちで勝利が絶対に必要なドイツは、試合開始からフルパワーで来るものだと思っていたら、相変わらずゆったりとパスを回して遅攻の連続、カウンターになりそうな場面でも自らブレーキをかけてバックパスと、いかにも「90分で1点を取ればいいんだろ」という驕りがドイツのサッカーには充満していた。

スタッツ的にはシュートが26対11、パスの数は3倍、ボールポゼッションは74対26とドイツが圧倒するも、決定的なチャンスはフンメルスのヘディングぐらいで、あとは枠に飛ばないシュートばかり。ミュラー、エジルは全く存在感が無く、スウェーデン戦では左サイドでチャンスメイクしていたヴェルナーが何故か右サイドで窮屈にしている始末。

そして後半にはドイツのほうが先に足が止まってしまい、何度も韓国に危ないカウンターを食らった挙げ句、ロスタイムに普段は時計のように正確なクロースのミスから失点を許し、ノイアーが上がったままの状態から一発のパスで抜け出したソン・フンミンに決められ万事休す。これが4年前、いやコンフェデをサブメンバーで圧勝した国とは思えない弱さ、脆さだった。

今大会、ドイツがここまで無残な敗退を喫する最大の要因だと思っているのは、「自分たちのサッカー」にこだわり過ぎた事だと思う。メキシコ戦、スウェーデン戦を見ても、やってる攻撃はSBを高く上げて基点を作り、攻撃陣がローテーションしながらニアゾーンに飛び込んでマイナスのパスを決めるという形のみ。対戦相手はそれが分かりきっているから、完全にドイツの攻撃を読んでどこもニアゾーンを埋めていた。

4年前は鉄壁だった守備も、怪我明けのノイアーは自信なさげでかつてのオーラは感じられず、アンカーであるはずのケディラは完全に空気で両SBは上がったまま。フンメルスらCBは2人だけで守備をせざるを得ず、鈍重な彼らにカウンターを止める能力は無かった。

それでも、クロースやミュラーが好調で、ヴェルナーがストライカーとしての能力を発揮していれば勝てたかもしれない。パーで待ち受ける相手には、強力なグーで突き破って来たのがドイツだった。が、彼らはことごとく周囲の期待を裏切り、個人能力で打開できるサネは代表に呼ばれなかった。あくまでニアゾーンをパスで攻略する均質な「自分たちのサッカー」を信じ、殉じたゆえの敗退だった。