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「”アフリカのチーム”にモデルチェンジして復活した鹿島」FIFAクラブ・ワールドカップ 準々決勝 マメロディ・サンダウンズ-鹿島アントラーズ

クラブ・ワールドカップが始まるのをすっかり忘れていて鹿島の初戦を見逃し、ようやく準々決勝のマメロディ・サンダウンズ戦を録画で観戦。

結果としては鹿島が2-0で快勝、明日の水曜日に吹田スタジアムで行われる準決勝のアトレティコ・ナシオナル戦へと進む事になったわけだが、正直言って勝てた事が何かの間違いではないかというぐらいに、前半の鹿島はボロボロだった。

マメロディのフォーメーションは4-2-3-1で、典型的な「アフリカン・ゾーン・ディフェンス」のチーム。その特徴は、守備時は4-4-2の3ラインでゾーンを作るが、それほどラインを上げず縦横にコンパクトではなく、相手が自陣内に入って来たらフィジカルの強さとリーチの長さでボールを絡め取り、ボールを奪うと手数をかけずにサイドを中心にスピードのある攻撃を繰り出して来る。その罠に、前半の鹿島はすっかり嵌ってしまった。

鹿島がまず取って来たのは、Jリーグでも良く見るタイプの攻撃的なサッカー。つまり、前からボールホルダーに対して積極的にプレスを仕掛け、後ろの選手は連動してマンマークで押さえて高い位置でボールを奪おうとするもの。これで一応、鹿島は比較的高い位置でボールは奪えるのだが、そこから攻撃に転じようとすると相手のリーチにパスを引っ掛けられ、仕方なくフリーな味方を探そうとするものの、見つけられずに足元でコネたり近くの選手に横パスをしたりするのだが、やっぱり素早く詰められてボールを奪われれてしまう。

高い位置からバランスを崩してプレスに行っているので、ボールを奪われると逆サイドなどにぽっかりスペースが生まれてしまい、鹿島のSBが慌ててマークに付くのだが、マメロディのSBがすぐさまオーバーラップしてスピードでぶち抜き、フリーな状態からクロスを上げられてしまう。この形に鹿島のディフェンスは何度もやられており、30分過ぎには中盤がDFラインに吸収されて完全な袋叩き、前半はマメロディがシュート11本に対して鹿島はゼロと、相手に決定力があれば3-0にされていてもおかしくないぐらいに一方的な内容だった。

ところが後半になると試合展開が一変する。鹿島は前方プレスを止めて4-4-2のゾーンを作って待ち構えるようになり、ボールを奪うとFWがマメロディのSB裏のスペースに流れて基点を作り、相手の守備をサイドに引き付けて中に空いたスペースを使う形に切り替えて来た。いわば、前半にマメロディがやっていたようなサッカーを今度は鹿島のほうがやって来たというわけだ。

概してアフリカのチームは前方への守備は強くても後方には弱みが出るもので、これでペースを握った鹿島にようやくシュートが生まれるようになり、後半18分に赤崎がサイドに流れてのクロスを土居が落とし、遠藤が合わせたシュートのコースは甘かったが、マメロディGKオニャンゴが足と手を同時に当ててしまってボールは後方へ。鹿島が少しラッキーな形で先制する。

その後はマメロディが攻勢を強めるも、ポジションバランスを整えてゾーンを作る鹿島の守備は落ち着いた対応を見せてきっちり受け止め、後半43分には交代で入った鈴木優磨から金崎にボールを折り返すと、金崎が一瞬の溜めからきっちりコースへ流し込んで2点目。これで試合は決まってしまった。

前半の内容は極めていただけなかったが、そこで点を入れられなかった強運、そしてハーフタイムで完全にサッカーのスタイルを換えてしまえる柔軟性と、いろんな意味で今期の鹿島の強さを再確認させられる試合だったなと。次は鬼門の南米クラブだが、後半のサッカーをベースに粘り強くカウンターを狙うサッカーで行って欲しいところだ。