旧閑ガゼッタ

「武藤のハットトリックは、結果的にチームを救う事にならないかもしれない」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 アウグスブルク-マインツ

開幕のスタートダッシュには成功したものの、ここに来て公式戦3連敗と急失速、この試合で負けたら監督解任との噂があった最下位のアウグスブルク戦は、前半のうちに武藤が2ゴールを挙げてもチームはこらえきれずに逆転され、後半ロスタイムに武藤のハットトリックとなる3ゴール目でかろうじて追いつく結果になった。

まあ現在のマインツの問題点は火を見るより明らかで、とにかくビルドアップというものが全く存在しない事に尽きる。前線は、武藤とマリ、デ・ブラシス、ハイロ・サンペリオとタレントが揃っているのに、そこまでボールがほとんど回って来ない。彼らにボールが来る機会は、相手がミスをするか適当に蹴られたロングボールがたまたま自分たちに渡った時ぐらいである。

前半19分に左サイドでデ・ブラシスがホン・ジョンホのマークを振りきって上げたクロスを、中央にフリーで入った武藤が合わせて先制点を決めたが、その場面までマインツには全くチャンスがなく、文字通りのワンチャンスで挙げたゴールであった。そして30分の2点目も、相手のボールを中盤右サイドでカットしてからのハーフカウンターから、最後はサンペリオのシュートミスがちょうど武藤の前に転がったラッキーなもので、2得点は試合内容を表したものではなかった。

そして案の定、42分に微妙な判定とはいえハンドを取られて1点差にされて前半を折り返すと、後半早々に右サイドを崩されて折り返しをク・ジャチョルが押し込んで同点、その後もアウグスブルクの猛攻でマインツのラインが全く上げられない時間帯が続くが、マインツGKカリウスの好セーブとDF陣の体を張った守備で何とか凌ぐという泥臭いサッカーで耐え忍ぶ。

とは言え、マインツの守備が根性で耐えるのにも限界はあり、後半36分にマインツゴール前での混戦から最後はカイウビーのスルーパスにボバディージャが抜け出し、とうとうアウグスブルクが勝ち越し点を挙げる。が、後半の3分のロスタイムも2分が過ぎてマインツの敗色が濃厚になった瞬間、ロングボールが武藤の前にまたもや転がり、切り返してからの右足シュートはコースが甘かったものの、これまたラッキーにも相手に当たって軌道が変わり、劇的な同点ゴールとなって試合終了。

ハットトリックの武藤はこれで通算6得点目、ランキングも5位に浮上と今後のキャリアにとっても極めて大きな結果となったが、もしシュミット監督がこのまま続投するとなると同じような機会が再びやって来るとは思えず、ちょっと素直には喜べないところ。岡崎がいた時代から守備組織は適当、選手個人のプレスで何とか勢いを持たせて勝点を拾ってきたサッカーなので、よほどの補強が無い限りは後半戦もこのままで、残留争いは避けられないだろう。

まあ、いっそのこと降格してしまったほうが武藤が上位クラブから引きぬかれて良いのかもしれないが、マインツというクラブが日本人を評価してくれているだけに、何とか残ってもらいたいところである。