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「武藤はもうちょっと手を抜くことを覚えたほうが良いのかもしれない」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 マインツ-ヴォルフスブルク

武藤がハットトリックを決めたにも関わらず引き分けに終わってしまったアウグスブルク戦を始め、ここのところ4試合連続で2失点以上を喫する試合が続いていたマインツ。しかしチャンピオンズリーグにも出場している強豪ヴォルフスブルクとの試合では何と2-0のクリーンシートで勝つというサプライズを起こしてしまった。

その大きなポイントになったのは、もちろん前半の13分にドラクスラーがレッドカードを受けて退場してしまった事。足を高く上げて落ちて来るボールをトラップしようとしたところに、マインツのハラが飛び込んできてちょうど16文キックのような形で当たってしまったのだが、ドラクスラーはそこまで前を向いていなくてハラが視界に入っておらず、故意では無かったのでイエローが妥当のように思ったのだが、主審の判定はレッドだった。

このラッキーな判定によって、そこまでヴォルフスブルクにボールを支配され続けて失点が時間の問題だったマインツは大きく助かった。1人少なくなったヴォルフスブルクは4-2-3-1からボランチをルイス・グスタボ1人にした4-3-2へとフォーメーションを変更、これでもやっぱりマインツはボールを支配されたのだが(笑)、アンカーの横とSBの間にスペースが出来るようになったので、武藤が左右に流れて基点を作れるようになり、それまでの一方的な試合展開では無くなった。

そして前半31分に、左サイドのアンカー脇のスペースでボールを受けた武藤が反転してスルーパス、ハイロ・サンペリオのクロスはヴォルフスブルクGKベナーリオが弾くものの、そのこぼれ球をデ・ブラシスが押し込んでマインツが先制する。

ヴォルフスブルクはそこから反撃、と思われたのだが10人になったせいかチャンピオンズリーグの疲れなのか、ボールは支配するけどもラストワンプレイの攻撃にいまいち迫力が無くて8人を低い位置で並べているだけのマインツの守備をなかなか崩せない。結局、ヴォルフスブルクのシュート数は試合を通じてもわずか7本という数字で、いかに閉塞感が漂うものだったかを証明している。

後半からギラヴォギ、20分からはシュールレを入れてもなかなかペースが上がらないヴォルフスブルクに対し、マインツは度々カウンターでゴールを脅かすと、後半30分にカウンターからセンターサークル付近でボールを受けた武藤がドリブル、そこから前線に待ち受けるマリにスルーパスを通すと、マリは相手のマークを受けなからも難しい体勢でシュート、これがゴール左隅ギリギリに決まる技ありゴールとなって2点目。これでほぼ試合は決まってしまった。

武藤は最終盤に、左サイドで独走するチャンスがあったが疲れからか足元がおぼつかなくなってドリブルのまま蹴り出してしまいシュートまで持って行けず。いつもの事だが、武藤はあまりにも試合を通じて全力でプレイし過ぎると言うか、余裕が無いと言うか、本人よりも見ているこちらが疲れてしまうような思いをしてしまう。それは決して悪い事ではないんだけど、岡崎もああ見えてサボる時はサボっていたので、そろそろ緩急を覚えても良い時期なんじゃないかと思ってしまう。

これからアジア二次予選が再開し、武藤に出番が回って来る機会も間違いなくあるだろうが、今度は手を抜ける相手なのだから割りきって点を取る事だけに集中したプレイを見せてもらいたいところである。

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