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乾と細貝の移籍が示す、戦術との相性という難しい問題

昨日から、仕事の都合で東国に来ておりまして、昨晩は付き物の飲み会などがあったりで試合は見ておりません。が、昨日は2つの大きな日本人選手の移籍ニュースがありましたね。

1つは、乾選手のリーガ・エスパニューラ1部エイバルへの移籍。

乾については、やはりフランクフルトに復帰したフェー監督から、あまり信頼を得ていなかった事が大きいでしょう。乾はサイドプレイヤーとしては足技がなくてスピードで裏を取れないと厳しいし、縦を切られるとカットインから威力に欠けるシュートしか攻め手が無く、とにかくクロスかシュートという伝統的なドイツ式戦術には合わないですからね。

トップ下としてなら行けるとは思いますが、フェー監督は長谷部をSBで使っているように、センターラインにはフィジカルや高さが無いとダメと思っているフシがあり、それも期待できません。

まあ、あと半年もあればフェー監督が成績不振で解任される可能性は高いと思いますし(笑)、エイバルではサイドハーフとして4番手らしく、スタメンで常時出るというわけには行かないでしょうが、それでもスペインへのあこがれが勝ったという事でしょうね。スペインはずっと日本人選手にとっては鬼門になっているので、何とか汚名を返上する活躍を期待したいです。

そしてもう1つは、細貝選手のトルコ・ブルサスポルへのレンタル移籍。

細貝は、ヘルタ・ベルリンにダルダイ監督が就任してからはずっと戦力外という形になっており、移籍という選択はまあ当然でしょう。その冷遇の理由として、ルフカイ監督に細貝が寵愛されていたのを嫌ったのではないかとの見方がありますが、ここでも何度か書いているように、ダルダイ監督の戦術には根本的に合わないからだと思っています。

ダルダイ監督の戦術は典型的なゾーン・ディフェンスで、そのキーとなるボランチのポジションには高度なバランス感覚、戦術への適応度が要求されます。しかし細貝はあくまで相手に食いついてナンボの選手であり、ボランチがそういう動きをしてしまうとゾーン・ディフェンスの戦術はあっけなく崩壊してしまいます。なので、細貝個人がどれだけ復調しても戦力外は変わらないはずです。

インテルの4-3-1-2戦術に合いにくいと思われている長友もそうですが、どんどんと先鋭化しつつある戦術に合わなくて、能力が高くても干されてしまう選手というのは今後もおそらく増えていくはずです。移籍する選手の側にも、現チームの戦術と移籍候補の戦術に対する自分の適応度というものを冷静に判断する必要性が出てきているように思いますね。

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