「内田と対比して見るサイドのポジショニングの大事さ」ドイツ・ブンデスリーガ第21節 フランクフルト-シャルケ

リーグ戦5試合負け無しと、ここに来て5バック守備がハマってすっかり安定感が出てきたシャルケだったが、フランクフルトとのアウェイ戦は無得点で痛恨の敗戦。チャンピオンズリーグ出場権争いで一歩後退してしまった。

ただしそれはフランクフルトが良かったわけではなく、むしろ前半のフランクフルトの守備はボロボロで、その時間帯にシャルケがチャンスを物に出来なかった事が大きい。

フランクフルトは前節もそうだったが、一応はスクエア4-4-2というフォーメーションになってはいるのだが、長谷部の相方であるシュテンデラがトップ下のポジションまですぐ上がってしまい、同時にSHもSBも上がるので実質的には2-1-4-1-2みたいな形になって、長谷部が自分の周りにいる4人の相手に対応せざるを得なくなってズタズタにやられるというパターン。

フランクフルトは序盤のピンチの連続をシャルケの拙攻とGKトラップの攻守で何とか切り抜けると、ようやくCBがFWをマークして、長谷部の両脇はSHの1人がスペースを埋める事で何とか持ちこたえる事が出来るようになったが、それでもシャルケの内田とフクスのオーバーラップにフランクフルトが対応できず、クロスを選択してしまってミスにはなったが内田がゴール前でフリーになる場面などシャルケが明らかに試合を優位に進めていた。

が、後半になるとミッドウィークにレアル・マドリーとのチャンピオンズリーグを控えているシャルケは徐々に選手の動き出しが鈍くなり、フランクフルトの攻撃を受け止めてからカウンターで攻めようという意思が見え始める。が、日本代表でも嫌というほど見られた光景だが、「相手の攻撃を受け流す」というのは非常に高度な戦術組織が必要になるわけで、1人でも穴が出来ると簡単に決壊してしまう。シャルケにとってのその穴は左WBのフクスだった。

フクスはある意味長友と良く似ていて、運動量と攻撃力はそれなりに高いレベルにはあるのだが、すぐ人に寄ってしまってポジションバランスが取れないという欠点がある。後半のフランクフルトは完全にシャルケの左サイドを標的にして、右SHのアイクナーにボールを集めてチャンドラーとのコンビで何度もサイドを突破する。そして後半20分に、アイクナーとシュテンデラのパス交換にフクスがまんまと食いついてしまい、最後はフリーになったチャンドラーのクロスにピアゾンが合わせてゴール。周りに味方もいたし、フクスが単にしっかりスペースさえ埋めてればさほど危険な状況では無かったシーンだった。

それに比べると内田は終始安定した対応でキッテルに仕事をさせず。オーバーラップにも鋭く内田自身のコンディションは良さそうでチャンピオンズリーグが楽しみである。一方の長谷部は相変わらずの孤軍奮闘ぶり。前半は集中的に狙われてピンチを作ったが、その後は安定した対応で幅広く動いて攻撃の芽を詰んでいた。一度ドリブルで攻め上がってPA内で倒されたシーンはPKをもらうべきファールで、ちょっと運が無かったね。