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「案外吉田の右SBが板についていた」イングランド・プレミアリーグ第19節 サウサンプトン-チェルシー

一時期は2位まで浮上する快進撃を見せたものの、そこから5連敗に陥って一気に危機が訪れたサウサンプトン。しかし吉田が加わった3バックの採用から復活して連勝を飾り、そして今節のホームでのチェルシー戦では吉田の右SB起用というギャンブルを的中させ、1-1のドローで貴重な勝ち点1をゲットした。

この試合のおけるクーマン監督の狙いは、吉田の動きを見ていればはっきりと分かった。吉田がマークする相手はエデン・アザール。チェルシーがボールを持っている時は基本的に吉田は高い位置からアザールにプレッシャーをかけて自由にプレイさせず、SHのデイビスが下がっている時は吉田もDFラインの位置まで下がるというポジショニングが徹底されていた。

攻撃では一度だけまるで本職かというような(笑)ドリブルでの切れ込みから味方のシュートにつなげた場面はあったが、それ以外はほとんど攻撃のために攻め上がることは無く、あくまで「積極的な守備」を仕掛ける要員として献身的に働いていた。

ただ、前で止めるという意識が強い分、背後への反応に対して遅れる場面が何度かあり、失点場面もアザールに裏を取られて追っかける形になってしまい、何とか追いついて縦を切るだけで精一杯、そこから内側へとカットインされてマークをアルデルヴァイレルトに受渡したものの彼もそのまま振り切られてゴールを決められてしまった。直接的な原因では無かったものの、先手を取られるとドリブラーに弱い吉田の欠点が出てしまった。

後半は完全にサウサンプトン陣内でチェルシーにボールを支配され、それも日本のようなチンタラパス回しではなく、ビシバシとサイドに強いパスを通されて矢のようなクロス攻撃を食らいながらも何とか運良く失点を逃れ続け、最後はシュネデルランを2枚目のイエローで失いながらも何とか時間稼ぎをしながらドローで終わらせた。

せっかく現在好調なマネのゴールで先制点を奪いながら、前半終了間際にこらえきれずの失点はもったいなかったけどトータルで見ればラッキーな勝ち点1で、吉田の右SB起用もそれなりに機能していたし、サウサンプトンとしては非常に収穫の多い試合だったのではないだろうか。

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