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「長友の暴走はマンチーニ監督のプランなのか」イタリア・セリエA第15節 キエーヴォ-インテル

成績不振でマッツァーリ監督が解任されたものの、監督が交代してからまだリーグ戦で勝ち星を挙げていなかったインテルは、キエーヴォとのアウェイ戦で久々に2-0のクリーンシートを果たし、ようやくマンチーニ体制のリスタートとなった。

ただし内容的にはお隣のクラブと同様でかなり危なっかしかった。インテルは中盤ダイアモンドの4-3-1-2というフォーメーションではあるが、今流行りの攻撃時には3バックになるスタイルではなく、アンカーが下がらずに両SBが上がる2-1-4-1-2のような形になるので、マイボールのビルドアップ時に後ろの選手が数的同数でプレスをかけられ、ハンダノビッチの好セーブに助けられたものの中盤での苦しいパスをカットされてカウンターを受ける場面が非常に多かった。

それはキエーヴォのほうも同じで、戦術はイタリアでは珍しいラインがフラットなゾーンディフェンスで、インテルはパラシオやイカルディが下がってコヴァチッチが飛び出す、またはその逆という形で相手のスカラトゥーラの動きを利用したギャップへの飛び出しからチャンスを作り、19分に同じような縦に引きつける形から長友が飛び出し、クロスは山なりになったが折り返しをグアリンが潰れて流れたボールをコヴァチッチが押し込んで先制点をゲットする。

後半になるとキエーヴォは長友の上がりを警戒してサイドに蓋をするのだが、長友は全く意に介さず最初から上がりっぱなしで案の定ドリブルをカットされたりパス回しが苦しくなって危険なカウンターを食らってゴールネットを揺らされるものの何とかオフサイドで助かり、11分にラノッキアがクロスを上手く足に当ててコースへ流し込み2-0。これでやっとこさ試合が落ち着いた。

それでも走り足りない長友は、右SBにポジションを移ってからはオーバーラップでサイドを蹂躙しまくり、得点にはならなかったがキエーヴォの戦意を喪失させるスタミナを見せつけ、72分に相手がレッドカードで退場してからはサブの選手を投入する余裕の試合運びでインテルが勝利した。

しかし勝ったとはいえ長友は終始ほとんどWBのようなポジショニングで、クズマノビッチとフアンが常にカバーに入っていたから良かったものの、どこまで監督の指示でどこまで本人の判断なのかどうも不安に感じてしまう。以前は左SBの一番手だったドドが守備の問題から長友へと先発に変わったっぽいので、まずは攻撃よりも守備をしっかりやるべきだと思うんだが・・・ドドが入って4-2-3-1になってからはポジショニングが落ち着いたので、そういう指示が監督からあったのかもしれない。まだ何度か様子を見るしか無さそうだ。

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