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「ザックジャパンと同じ罠に嵌ったジェフ千葉」J1昇格プレーオフ決勝 ジェフ千葉-モンテディオ山形

今年のJ1昇格プレーオフについては、この制度が始まって以来リーグ戦で上位のチームが下位のチームに対して勝利を収めた事が無いというジンクスを引き合いに出して、山形が本命という半分冗談のつもりの予想を立てたのだが、まさかそれが本当になってしまうとは驚いた。

両チームが全身全霊、死力を尽くして戦い1-0という最小得失点差に終わった試合に対して、何をもって勝敗の決め手になったかについて簡単に決め付けることは出来ないが、あえて1つ挙げるとすればジェフの方に”失いたくない気持ち”があったからじゃないかという気がする。

もちろんJ1昇格しないと何も手に入らない試合で具体的に失うものがジェフにあったわけじゃないが、前半の戦い方を見るととにかくボールを持つ時間を恐れるかのごとく自陣から徹底的に前へと蹴り出す攻撃ばかりで、前半は森本が良い形で前を向く場面を作ったものの、森本と両SH、SBに対して山形守備陣の5人がきっちりマークを決めて守る守備が機能し始めてからは攻め手が無くなってしまった。そして前半37分にセットプレイの流れから山崎が頭で流し込んで山形が先制。

後半はさすがに山形がやや受けに回ってジェフが優勢に試合を進めるものの、山形の徹底したカバーリングの動きが最後まで衰えることはなく、ジェフが終盤パワープレイに出ようとするもののロングキックの出しどころに対する山形のチェイスは最後まで続いて簡単にクロスを揚げさせず、土壇場のチャンスも今プレーオフのMVPと言えるGK山岸がファインセーブを見せ、山形が1-0で逃げ切ってJ1への切符を手にした。

戦術的にはやはりサイドの攻防がポイントだったように思う。3バックの山形のWBが攻守でメリハリの有る上下動をしていたのに対し、千葉は4バックでSBとSHで山形に対してサイドで数的優位を保っていたはずなのだが、何故か守備の場面では2人とも下がってしまう事が多く、それが森本ら前線の選手が孤立する要因になっていた。

3バックのサイド1枚を恐れて2枚が下がる形は、ブラジルW杯で日本がコートジボワールに対してやってしまった守備と同じで、そこを2枚で受けてしまうかSB1枚を残してSHが高い位置で基点を作れるかどうかがガラリと攻守のペースが変わるポイントであり、そこで一歩千葉が踏み込んでいれば内容と結果は違ったものになってたのではないかと思う。

山形がプレーオフを勝ち抜けられたのは、当然ながら最も失うものが少ない立場であったと同時に、全員が全くブレずに自分たちのやるべき事をやり尽くしたからだろう。逆に千葉には明らかに恐れと迷いがあった。改めて、サッカーというのは何よりメンタルが大きくモノを言うスポーツなのだと思い知らされるプレーオフであった。