サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「本当にメキシコみたいになれるのか?」ブラジルW杯グループA クロアチア-メキシコ

日本が目指したショートパス主体の「自分たちのサッカー」が無残にも散ってしまった事で、開催国のブラジルが同居する難しいグループを6大会連続で突破したメキシコを目指そうという機運がまたぞろ蘇り、時期代表監督にアギーレを招聘なんて噂が出ている鳥頭状態の日本だけど、3-1で勝利したこのクロアチア戦を見る限りでは、それはちょっと無理なんじゃないかと思った。

何しろ、ここで日本代表がコートジボワールと対戦して苦しんだとは思えないほどメキシコの運動量がクロアチアを圧倒しており、クロアチアの選手がボールを持つと常に2人以上の選手が囲んで自由を与えないのだから物凄い。個人能力で勝るクロアチアの選手が守備1人を剥がしても2人目、3人目と来るからほとんど有効な攻撃が繰り出せない。

それでも前半のうちは5バック気味に守備へと重心がかかってしまい、メキシコの2トップと中盤との距離が空いて孤立していたのだが、後半からクロアチアの運動量が落ち始めると5バック状態だったサイドが上がって3バックになり、ポゼッションでメキシコが優位に立ち始める。

中盤でボールが繋げなくなったクロアチアは、孤立したマンジュキッチとの間をリンクすべくコバチッチを投入してキープ力を増強しようとするものの焼け石に水。64分にスルナがPKもののハンドを見逃してもらえて命拾いはしたがそれは一瞬の安堵で、72分におそらく疲労から集中力が落ちたところでセットプレイ一発で失点、そこから崩れるように3点を取られて何とか1点は返すものの、最後は足裏を見せて削ったレビッチが一発退場というオチで終了。

いや、これは戦術がどうこうという問題では無いよね。監督をメキシコ人に変えたからと言って何とかなるとは思えない。高地での戦いが多いメキシコリーグで鍛えられたメキシコ人の頑健な肉体があってこそのサッカーだと思う。ちゃんとオシムが言うように日本人の特性に合ったサッカーを目指さないと、「メキシコみたいにパンパンパーン」なんてアホみたいな夢をまた見る羽目になってしまうよ。

メキシコがベスト16で対戦する相手は快進撃を続けるオランダだけど、赤道直下のフォルタレザで13時からの試合なので、メキシコがオランダを食う可能性は十分にあると思う。クロアチアは悪い内容の大会じゃなかったけど、いかんせん相手が悪すぎた。初戦の西村主審によるPK判定もあって何か申し訳ない気分になってしまったね・・・

モバイルバージョンを終了