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「おそらくザックは苦戦を望んでいるはず」キリン・チャレンジカップ キプロス戦展望

今日はブラジルワールドカップ出場メンバーが決定後の国内最後の壮行試合という事で、ファンとマスコミ、スポンサー関連が盛り上がりそうな一戦ではありますが、正直言って何かの期待をするべき試合ではありません。

ご存知のように、代表選手は鹿児島指宿キャンプで相当にハードな練習を重ねていて肉体の疲労はピークのはずです。そんな体の状態で、無理にでも体を動かそうと頑張れば怪我をする危険性は相当に高くなるので、本来日本が本番でやりたい人とボールが素早く動くサッカーはキプロス戦ではまったくもって望めないでしょう。

おまけに、キプロス代表は主力メンバーこそ不在ではありますが、欧州予選では首位通過のスイス相手にスコアレスドローを演じた事があるぐらい守備には手堅さを見せるチームです。コンディション最悪の日本が戦ってそう簡単に勝てる相手ではないでしょう。ギリシャと似たカラーだけど実力は一段下のチームという事で試合後は悲観論一色になってしまうかもしれません。

しかし、そこをザックはあえて苦戦する事を望んでいるのではないかと、個人的には思っています。それは、この試合の位置づけはあくまで「アラーム」、つまり選手の目を覚ますことが第一の目的だからです。

代表常連のメンバーにとっては、このままのぬるま湯じゃダメだという気持ちを持たせ、非常連メンバーには溶け込んだと思っていたのが幻想だったと気づかせ、怪我明けの選手にとっては実践感覚の不足を痛感させる。その危機感でもって選手の意識を統一させ、集中した状態でアメリカ合宿へと臨む。そのためには、ヘタな楽勝はかえってプランの妨げになるのです。

前回のように韓国なんかが相手だとむやみに心身を消耗させられてしまうし、ドイツやイングランドのような強豪が相手だとジーコジャパンがそうだったように結果が良い悪いに関わらず妙な勘違いが起こりそうなので、キプロスが相手というのはなかなか練られたプランのような気がしますね。

だからと言って為す術もなくやられて良いわけではありません。ポイントは1対1での対応の仕方。疲労困憊状態での試合というのは、すなわち暑いブラジルでの試合後半戦のシミュレーションでもあります。集中力や体力が尽きた状態で、どこまでミス無くボールをキープし、試合を落ち着かせられるか。コンフェデでは日本が出来なかった点を復習する機会だと思うので、キプロス戦ではそういう部分を中心にチェックしてみたいと思います。

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