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「代表戦で大きく変わった本田のプレイスタイル」イタリア・セリエA第27節 ウディネーゼ-ACミラン

ミッドウィークの代表戦でフル出場した疲労も考慮されず、次週のCLに備えてロビーニョ、ビルサと共に2列目が控えメンバーでの先発、しかもトップ下ではなくやっぱり右サイドという屈辱的な立場になってしまった本田。

案の定、ミランの攻撃には意思疎通も連携も無い状態で、2、3度の決定機を外した以外はほとんど見せ場なく無得点で敗戦してしまったわけだが、本田のプレイは右サイドに張りっぱなしだったこれまでと明らかに違って、最初からかなり中に絞ったポジションを取っており、前半こそ予想通り全くボールが来なかったものの、相手にスペースが出来始めた後半からはパスが来るようになり、タイミングは合わなかったがDFラインの裏を突くワンタッチパスで攻撃をスピードアップさせようという狙いが感じられた。

やはり、本田はどうしても絶対的なスピードと右足の精度が無いので、サイドに張っていても個人で打開するのはやはり相当難しいものがあるのは事実。それを分かってて右サイドに張るポジションを取っていたのは、弱点を克服しようという姿勢の現れかと思ったのだが、ここに来てCSKA時代のように自分のプレイで自己主張するようになって来たのは興味深い。

ここからは想像だが、おそらくニュージーランド戦で代表が集まった時に、同じくビッグクラブに所属している長友や香川と話し合って姿勢に変化が出たのではないか。特に香川は、最初こそモイーズの求めるサイドの役割を何とかこなそうとしていたが、今は少ない起用時間の間は中盤でトライアングルを作ってショートパスをつなぐプレイを一貫して続けており、その頑固さと言うか開き直りが功を奏したのか、ようやくモイーズにも認められ始めているらしい。

自分の持ち味が生きないポジションで無理なプレイを続けていても、それは結局貧乏くじとなって自分の評価を下げることになるし、何よりも結果を出せば監督の評価なんて簡単に180度変わるものだと悟ったのかもしれない。特にビッグクラブでは、どんなに縁の下の力持ちになっても明日には同じポジションに新しいスターが来てゴミのように捨てられる世界だからね。

本田は明らかに弱点を持った選手なので、長友や岡崎のようにそこをカバーする努力は怠らないで欲しいが、たとえどんなにマスコミから叩かれても、自分じゃなくて周りをスピードアップさせるという本田の持ち味を地道にチームメイトや監督に理解してもらう姿勢もまた必要な事だと思う。

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