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「監督さえ本当の問題点を把握していれば本田は大丈夫・・・なはず」イタリア・セリエA第24節 ミラン-ボローニャ

66分でパッツィーニと交代して下がった時に観客からブーイングを浴びたという事で、どれだけ本田が悪いプレイをしたのかと心配しながら試合を見ていたのだが、彼自身のプレイについては病気明けにも関わらずそれほど悪くなかったように思う。

ボローニャは3バックと言いながらも実質的には5-3-2のフォーメーションで徹底して専守防衛で来ており、本田の右サイドにはCBとSB、ボランチの3人が常時厳しくケアをしていたので、その状態で何かをするにはバロテッリ、カカー、デシーリオ、モントリーヴォがスペースでボールを受けるべくフォローの動きをしないとどうしようもなかった。

しかしカカーもバロテッリもほとんどマイボール時に自分からアクションを起こすことが無くて本田はパスが出せない。逆に左のウイングに入ったターラブトは、とりあえずボールを持てばドリブルでキープをする事ができるので、足元にパスが欲しいバロテッリとカカーが寄って行くためにますます本田が孤立という悪循環になっていた。

ターラブトのドリブルは確かに派手で見栄えがし、ミランにとってはいかにも彼のお陰で攻撃力が増したように思えるかもしれないが、結局そのドリブルで引きつけたスペースを誰も使わずに連動した攻撃が起こらないのでボローニャの守備を崩すまでには至らず、結局最後は単発のクロスかミドルで終わってしまうのだ。これでは全く根本的な解決にはつながらない。

本田はターラブトとは対照的に自分から仕掛ける事が無かったので批判をされているようだが、前半はあえてパスを回しながら人を動かしてポゼッションするサッカーに誘導しようとしたように見えた。ただし後半は動かない味方にあきらめたのか(?)自らスペースやゴール前へ飛び出して一発で攻撃を決めようというプレイが多くなってしまったが・・・やはり戦術的な意図を英語だけで伝えるのは難しい面もあるのだろう。

なので、ちゃんと監督がミランの根本的な問題点に気づいて解消しようとしているならそれほど本田に心配は必要ないように思う。ただ、セードルフはモイーズほど脳味噌が筋肉だとは思わないけど、カカーを4-2-3-1のトップ下に固定しているのは問題だ。アッレグリ時代の4-3-2-1であれば本田も活きるだろうと思っていたが、まさか2列目の右、それもワイドに固定するとは誤算だった。

味方を使うのが抜群に上手い本田の特性を活かすのであれば、トップ下に本田を固定してスペースを使うチーム作りをするのが正解なのだが、果たしてそこに舵を切れる思い切りがあるのかどうか・・・まずは一度でもそういうチャンスを与えてもらいたい。

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