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「コートジボワール対策はとても単純」国際親善試合 ベルギー-コートジボワール

日本とW杯の初戦で対戦する予定のコートジボワールと、昨秋に日本と対戦したベルギーとの親善試合とあって、その実力差や対策を図るにはとても参考になる試合だった。きっとザックも興味深く見ていた事だろう。

結果だけを見れば、ベルギーのホームでコートジボワールが終盤にセットプレイから2点を押し込んでの同点と、日本との試合とは違ってコンパニが最終ラインにいるベルギーと引き分けた事でコートジボワール強しというイメージを持つかもしれないが、どうせセットプレイは運にすがるしか無いわけだし気に病んだところでどうしようもないので(苦笑)、決定的なチャンスはベルギーのほうに多かった事をポジティブに考えたい。

まずコートジボワールで注目すべきポイントは守備の組織である。西アフリカのチームはフランス仕込みのプレスディフェンスを駆使してくるという評判があるが、確かにラインこそ高いものの、4バックは基本的にボールホルダーに対して皆が一様に集まってくるので、サイドチェンジや2列目の飛び出しに対しては付いて行けてない事が多い。

柿谷や本田がバイタルでボールを受けてからワンツーで香川がラインの裏へ抜け出したり、左サイドで引きつけて岡崎の飛び込みに合わせるという日本の攻撃パターンで攻略しやすい守備だと言える。ただし、ゴール前で頭や足が出てくる反応の早さは鋭いものがあるので、点で合わせる単純なクロスや折り返しでは得点できない。ボランチを含めた3人目の動きを加えて相手を崩しきる姿勢が必要になって来る。

そして攻撃については、FWのポストプレイや中盤のパスワークというものはほとんど無く、だいたいはサイドにボールを振ってからのドリブル突破か、DFラインの裏を突く長い抜け出しに限られている。そしてその両方でキーマンになっているのがジェルビーニョ。サイドで1対1になったらまず止められないし、中央や逆サイドに流れてからの抜け出しも脅威だ。とにかく守備陣はまず裏を取られないように、サイドで対峙する場合はボランチやSHが加わって2対1で守る必要があるだろう。

もう1人の要注意人物であるヤヤ・トゥーレはトップ下で先発したが、ベルギーがコンパクトに守っていた前半はあまり存在感を出せず。しかしベルギーが2点をリードしてラインを下げてからは、度々PAの中に侵入しては抜群のキープ力と判断力で味方につなぎ、シュートチャンスを作り出していた。コートジボワールの中では唯一狭いスペースで活きる選手なので、まずはラインの動きにメリハリを持って高い位置でボールに絡ませない事が重要だ。

ドログバについては、途中出場で得点は取ったもののかつての存在感は感じられなかった。これから調子を上げてくるのかもしれないが、どのみち注意しないといけない優先順位はジェルビーニョとヤヤ・トゥーレの後だろう。

とにかく守って守りきれるような相手ではないので、できるだけ早い時間に得点を重ねて相手の焦りを誘う戦い方が出来るかどうか。そしてマークとカバーを欠かさず最後まで走り切る体力。その2点がポイントになるのは間違いないところだ。

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