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「長友のウノゼロは心臓に悪い(笑)」イタリア・セリエA第18節 エンポリ-インテル

年末大一番のナポリ戦でイエロー2枚で退場という盛大なやらかしをして依頼、長友が久しぶりに先発した試合。エンポリは4連勝中で7位と好調な相手だったが、前半ロスタイムに決めたイカルディのゴールを守り切り、得意のウノゼロでインテルが逃げ切った。

インテルのフォーメーションは4-3-3で、エンポリは中盤ダイアモンドの4-4-2。どちらも中盤が3枚で構成されている形なわけだが、ドイツやイングランドとは違ってイタリアの場合は4-3のままゾーン・ディフェンスをやろうとするのが特徴で、その場合SBはサイドを1枚で守らなければならず、非常に微妙なポジショニングが求められる。

この試合の長友は、相変わらずゾーン・ディフェンスの動きに対応できず、エンポリが長友のサイドにジエリンスキとプッチャレッリが交互に流れて来て数的不利になる場合が多く、どちらをマークするのか迷ってふらふらしたり、ラインの動きを見てなくて危うくオフサイドトラップに穴を空けそうになったりと不安定だった。

特に前半は長友とダンブロジオが同時に上がってしまう場面があって、2-2の数的同数のカウンターを受けたりすることもあり、おそらくマンチーニ監督からカミナリが落ちたのだろうが、前半途中からほとんど単独で攻め上がることが無くなり、70分ぐらいに一度ドリブルで対面の相手をちぎってクロスを上げた場面はあったが、攻撃面の見せ場はほぼそれだけ。後半はインテルがほとんど引いてしまってほとんどエンポリが攻めっぱなしだったので、余計に守備面の出来がクローズアップされたきらいはある。

ただ、相手がDFラインの裏を取った時に追いついて上手くスクリーンしたり、抜かれそうになっても何とか食らいついてフリーでクロスを上げさせなかったりと、ポジショニングが怪しいながらも集中して守れていた。そしてあまり使ってもらえなかったが、左ウイングのペリシッチがボールを持った場合は愚直にオーバーラップを仕掛けて攻撃を助けられるのは長友ならではの美点である。

前半ロスタイムの得点も、そのペリシッチキープから長友のオーバーラップでDFを引きつけてマークを分散させ、クロスをニアに飛び込んだイカルディが決めたもので、相手が中盤3枚だと余計にSBのオーバーラップが効果的になる。トータルで見ると、マンチーニ監督としてもまあまあ長友に及第点をあげられたのではないかと思っている。

まあでもホント、長友や両酒井を見ているとゾーン・ディフェンスってのは大人になってからではなかなか身に付かないってのを実感するね・・・彼らがユース時代にしっかり戦術を学んでいたら、今頃もっと凄い活躍をしていたのではないかと思えるだけに悔しい思いが募る。日本も個々の指導者は頑張ってるんだろうけど、何よりも協会が率先して育成の改革に取り組んでもらいたいところである。

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