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「世界モードへの変身があまりに遅すぎた鹿島」FIFAクラブ・ワールドカップ 3位決定戦 鹿島アントラーズ-リーベル・プレート

レアルに負けた鹿島と、アルアインに敗れたリーベル・プレートによる3位決定戦。鹿島はレアル戦から3人入れ替え、内田、犬飼、安西が先発に加わった4-4-2、リーベルは中盤ダイアモンドの4-4-2でスタート。

若手を起用してきたリーベル・プレートは、試合開始でいきなりアルバレスが右サイドを突破してチャンスを作るが、鹿島GKクォン・スンテがファインセーブといういつもの展開。しかし鹿島も10分にCKからフリックで流したボールにチョン・スンヒョンが合わせるもボールはGKに防がれる。

しかしリーベルはCKからスクリーニが合わせ、先制点をゲット。リーベルの攻撃はとにかくスイッチが入ると速い。中盤で縦パスを受けてからすぐさまターン、ワンタッチでどんどん前へとボールが運ばれる。鹿島は選手個々が無理をせず味方のフォローを待ってボールを繋ぐ形が多く、スピードは歴然とした差がある。

前半44分にスローインから安部がドリブルで切れ込み、シュートはDFのスライディングに防がれたもののこぼれ球を安西がシュート、しかしボールはクロスバーで得点ならず。

前半の終わり頃から、ようやく鹿島の攻撃に速さと大きさが見られるようになる。ミスを恐れず、相手にボールを奪われたら奪い返せば良いという割り切りが見えるようになる。

後半18分、セルジーニョのスルーパスからラインギリギリを抜け出した土居がカットインからシュートも、GKのファインセーブに阻まれる惜しいチャンス。しかし28分に右サイドを崩され、最後はゴンサロ・マルティネスに蹴り込まれてリーベルが2点目。

35分には安部のパスから土居がボレーも枠に飛ばず。38分にも土居のドリブルからカットインシュートもクロスバー。さらに41分の永木のFKもまたクロスバーと、鹿島はとことん運に見放される。

逆にリーベルは43分にラストパスに抜け出したボレーを犬飼が後ろからスライディングで倒してしまいPK、この得点で鹿島の集中力が切れてしまったのか、あとは見てるだけの守備になってしまい、最後はゴンサロ・マルティネスに浮き球のシュートを決められ4点目、そして試合終了。

速い攻撃が出来るようになった後半はチャンスを多く作ったが、そこで得点を決められず、前に出た分だけ後方のリスク管理がおそろかになった。昌子がいない影響はあっただろうが、数的不利であっても守り切る能力が南米のチームに比べて低いのは明らかである。

とは言え、レアル戦よりも果敢で思い切った攻撃が見られたのは良かった。結果は大敗ではあるが、ある程度の手応えをつかめた内容だろう。惜しむらくは、そういう姿勢を本番であるレアル戦では見せられなかった事と、得点を取り切る、または防ぎ切る能力が今年のチームには欠けていた事。今後はどういう大会形式になるかは分からないけれど、この悔しさを忘れず、また世界の舞台に戻って欲しい。

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