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「戦略的な失策で、リベンジするチャンスにすらたどり着けなかった鹿島」FIFAクラブ・ワールドカップ 準決勝 レアル・マドリー-鹿島アントラーズ

さすがにリアルタイムでは見なかったけど、今朝はたまたま早めに目が覚めてしまったので、これ幸いと録画観戦。

前の対戦であわやジャイアントキリングまで持ち込み、今年こそはという意気込みで臨んだはずだった鹿島だったが、蓋を開けてみれば今回は相手を慌てさせる瞬間も無くベイル1人に為す術無くやられての完敗と、大変がっかりな内容と結果になってしまった。

両チームのメンバーは、鹿島がGKチョン・ソンリョン、DFが山本脩斗、昌子、チョン・スンヒョン、西、MFが遠藤、永木、レオ・シルバ、FWがセルジーニョと土居の4-4-2、レアルはGKクルトワ、DFがマルセロ、セルヒオ・ラモス、ヴァラン、カルバハル、MFがクロース、ジョレンテ、モドリッチ、3トップがベイル、ベンゼマ、ルーカス・バスケスの4-3-3。

まず鹿島が高い位置からプレスを仕掛け、前半2分にセルジーニョのシュート、GKクルトワが弾いたCKから昌子がニアに飛び込み、フリーでヘディングも角度が薄くてファーに流れてしまう。このビッグチャンスに決めていればまた展開は変わったのだろうが・・・

レアルのペースは遅く、鹿島にボールを持たせ、ミスを誘ってから速攻で得点しようという省エネサッカーで、まだ準備体操レベル。そして前半23分に左サイドから西が突破、クロスが相手を越えずCK。26分、PA右で土居が抜け出すがクルトワに防がれるなど、鹿島は惜しいところまで行くのだが、ラストプレイの精度を欠いてシュートまで行けない。

前半28分にあったベイルの突破からのシュートでようやくレアルにエンジンがかかり、パススピードが早くなる。29分にはクロースの強烈なシュートなど、レアルがシュートに持ち込むシーンが多くなる。すると前半44分、マルセロのワンツーからベイルが左サイドを抜け出し、西があっさり振り切られてゴール。

後半から、大岩監督は永木を下げて内田を投入、西をボランチに入れる采配をしたのだが、これでかえって中盤のバランスが崩れてしまい、レアルの猛攻を浴びる呼び水になってしまう。

まず後半早々にまたベイルが突破、クロスをベンゼマがシュートも山本脩斗がゴールマウス内でクリアする。しかし3分後、その山本脩斗のバックパスに対してチョン・ソンリョンとチョン・スンヒョンがお見合いする形になったスキをベイルに拾われ、カバーも追いつかず失点。直後にもマルセロの溜めからベイルにスルーパス、これでベイルはハットトリック達成。

これでレアルはペースを再び落とし、鹿島もレアルのゴールに近づく場面は増えるのだが、やはりラストプレイの精度が足りず速いタイミングで攻め切る事が出来ない。ようやく後半33分に、遠藤の落としから土居のシュートが決まったかと思ったらオフサイド。しかしVARで覆され鹿島がようやく1点を返すが、反撃もここまで。

確かに怪我人の続出で戦力的には厳しかったのかもしれないが、頼りの安部は終始カルバハルに厳しくマークされて力を発揮できず、セルジーニョと土居は基点になれず、右サイドはマルセロとベイルに押し込まれた上にズタズタにされと、攻撃はセットプレイぐらいしか可能性を感じなかった。

ゲームプラン的にも、ビハインドになってから投入した内田やレアンドロは明らかに本調子ではなく、調子の良い選手を前半に使った割には、試合開始直後を除けば失点をしないための試合運びで、前半は手を抜いていたレアルに脅威を与えられず、失点してからはミスが多かったレオ・シルバを残して永木を下げ、追加点のスキを自ら生み出してしまった。選手にとってもファンにとっても収穫の薄い、悔いが残るだけの試合だったと思う。

しかしまだ3位決定戦が残っている。アル・アインに負けたリーベルにとって全敗は南米王者として許されない立場であり、本気で鹿島に向かって来るだろう。次こそ、勝っても負けても鹿島は良くやったと言えるような試合を期待したい。

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