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「戦術の神様であるグアルディオラを、逆に戦術で陥れてしまった恐るべきジェネジオ監督」UEFAチャンピオンズリーグ グループF マンチェスター・シティ-リヨン

グループリーグも残り2節となったチャンピオンズリーグ。グループFは、ここまで1勝3分で2位のリヨンと、グループリーグは1位、プレミアリーグでも無敗で首位と絶好調のマンチェスター・シティとの対戦。

リヨンはデパイの1トップに、2列目にフェキルとコルネ、WBにメンディとラファエルを並べた3-4-3のフォーメーション、アウェイのシティは怪我人が多く、アグエロの1トップに2列目がサネとマフレズ、中盤がシルバ、フェルナンジーニョ、スターリングの4-3-3という形。

試合が始まると、リヨンは守備時に5人のフラットなラインを作り、5-2-3という偏った形にして来た。その狙いは、とにかくサネとマフレズという強烈なサイドプレイヤーを自由にさせず、マイボールになるとシティ音アンカーであるフェルナンジーニョの脇にあるスペースを使って攻撃を組み立て、相手陣内では3トップがハイプレスをかける二段構えの作戦。

これに対してシティはボールを保持しながらも攻めあぐね、前半の終わり頃には、左サイドに流れたデパイからのクロスをコルネがジャンピングボレーもクロスバーという決定機をリヨンが迎える。シティも直後にマフレズがミドルシュートを放つがGKロペスがキャッチ、前半を終了する。

後半に入ると、シティは中盤でじっくりボールを回して攻撃を組み立てる方針に変更するが、リヨンもそれを見越して前線のハイプレスを取りやめ、自陣で5-4のブロックを敷いてアタッキングサードへ近づけない。

すると後半10分、早いリスタートからデパイが左でキープ、クロスを拾ったコルネがカットインから目が覚めるようなミドルシュートを決めてリヨンが満員の観客に応える先制点をゲットする。

これでようやく尻に火がついたシティは、12分にマフレズのクロスからアグエロのシュートはロペスに阻まれたが、17分に右サイドでのFKからシルバが頭でそらし、ラポルテが頭で押し込みシティが同点に追いつく。

リヨンは徐々に運動量が落ちて守備の対応が後手に回り、前半は消えていたサネが存在感を見せてリヨンの守備をかき回す。が、シティの勢いは長く続かずすぐにペースが落ちてしまい、逆に後半35分にまたファールからバイタルでパスを受けたデパイがすぐスルーパス、コルネが抜け出し2得点目。

しかしシティも、その2分後にCKからアグエロがニアでヘディングをあわせて同点。ここでどちらも勝ち点1で良いとの判断があったのか、試合はそこから談合的にペースが落ち、そのまま2-2で試合終了。シティはリヨンと勝ち点3差ながら当該成績で下回っているため、グループ突破は確定したが1位はまだ不確定、リヨンは最終節のシャフタール・ドネツクとのアウェイ戦で、引き分け以上なら2位通過が決まる事になった。

シティはデ・ブルイネ、ベルナルド、ジェズスと攻撃の主力を欠いていたが、それでもリヨンは強かった。戦術の神様と言うべきペップを、リヨンのジェネジオ監督が戦術的な策で上回ったというところがまた驚き。フランスリーグはPSGの強さばかりが喧伝されるが、2番手グループも侮れない。今期のマルセイユが苦戦するのも分かるような気がしたね。

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