旧閑ガゼッタ

「鎌田と遠藤は、ここからステップアップ出来るかの分水嶺に差し掛かっている」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第14節 シント・トロイデン-ズルテ・ワレヘム

ここ3試合勝利が無いシント・トロイデンは、3-4-3のフォーメーションで冨安が右CB、遠藤が右ボランチ、鎌田が左ウイングといういつもの形でスタート。対するズルテ・ワレヘムは4-2-3-1の形で臨んだ。

試合はシント・トロイデンが何となくボールは保持しているものの、全体的にチャンスは単発で、前半20分に右サイドからの折返しに遠藤が合わせるがシュートは左に外れる。逆に28分、縦パスを受けた遠藤が相手に狙われ、ショートカウンターから冨安の裏を取られてズルテ・ワレヘムに先制点を与えてしまう。

さらにズルテ・ワレヘムは前半43分、自陣からGKが蹴ったロングボールからガルシアがサイドを抜かれ、クロスに遠藤がカバーに飛び込むも間に合わず2点目、と思われたのが、VARでファールがあったという判定でノーゴール。これが結果的に試合のターニングポイントになった。

後半に入って遠藤が下がってデ・サールが入ったが、それよりもシント・トロイデンのフォーメーションが3-1-4-2の形になって、攻撃時にはWBやウイングの選手がワイドに張って高い位置でボールを受け、そこを基点にして前線がスペースへ飛び出す戦術的な修正が功を奏し、シント・トロイデンが試合のペースを握る。

すると後半早々にボリがDFラインから抜け出し惜しいシュートを放つと、6分には右サイドからグラウンダーのパスに飛び出した鎌田がシュートもGKに阻まれる。そして後半15分、PA付近でのワンタッチパスの流れから最後は鎌田が一瞬抜け出し、落ち着いたトラップからゴールに流し込んでシント・トロイデンが同点に追いつく。

その後も4バックのズルテ・ワレヘムに対し、シント・トロイデンはWBを高い位置に置いて相手のSHを後ろに下げ、その分冨安やボランチが余裕を持ってボールを捌き、ほぼズルテ・ワレヘム陣内でボールを保持する展開になる。そして後半31分、ズルテ・ワレヘムのハルバウィが2枚目のイエローで退場する。

そこからは完全に守備を固めたズルテ・ワレヘムに対してシント・トロイデンが攻めあぐねる展開になったが、40分に右サイドからのクロスがファーに流れたところでアコラツェがボレーで叩き込みシント・トロイデンが勝ち越し、そして相手のパワープレイにもきっちり対応して2-0で試合終了。

鎌田は、単純な運動量自体は決して少なくないし、狭いスペースでボールを受けても安定したトラップでシュートやキーパスに繋げられるものの、やはりここぞという場面での爆発的な動き出し、ボールの競り合いや相手ボールを奪い返すような局面でのプレー強度に欠けるのは事実。

遠藤は、代表のように攻守で味方のフォローがある場面では非常に気の利いたプレイを見せるんだけど、この試合の前半のように中盤で孤立してしまうと、無理なキープでボールを奪われたり、状況打開のために攻めの意識が強くなりすぎて守備に戻りきれなかったりと、空回りする事が多くなってしまう。

冨安はもうちょっと1対1の経験を積む必要はあると思うが、年齢的にもまだ十分余裕があるので心配はしていないが、鎌田と遠藤はそれほど時間的な猶予が無い。チームは好調だが、純粋な個人能力で何が出来るか示せないと、ここからのステップアップは難しいだろう。