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「何と意外なバルベルデの初優勝、そしてジュニアではベルギーの超新星が!」自転車世界選手権2018 男子エリートロード

昨日、一昨日と所要で京都や大阪を駆けずり回り、帰った時にはヘトヘトだったので、見るのに2時間かかるチャンピオンズリーグの試合は諦め、今年はスカパーでやってくれていた自転車ロード世界選手権の録画を見ることにした。

今年はオーストリアのインスブルック周辺がコースになっていて、最大勾配10%のイグルスの丘を含む周回コースを7週、最後は「ヘッレ(地獄)」と呼ばれる最大28%という、人がまともに立ってられない激坂をこなすコースとあって、スプリンターと呼ばれる人たちはほとんどメンバーに入らず、主にオールラウンダーやクライマーが並ぶ、珍しい顔ぶれとなった。

レースはいつものように、スタートから50km地点で11人の逃げ集団が形成され、インスブルック周回コースに入った時には17分以上の差を付けていた。集団がコースに入ると順調に差を詰めて行く中、3周回目で現在世界戦3連覇中のペーター・サガンが早くも脱落、そこらのクライマー以上の坂を登れるサガンの脱落が、このコースの厳しさを物語っている。

途中でニバリなどイタリアチーム、イギリス、スペインなど有力チームがペースアップ、細かいアタックが繰り返される中で、何と優勝候補の1人で、ブエルタ・ア・エスパーニャの勝者であるイギリスのサイモン・イェーツ、クウィアトコウスキー、イタリアのエースであるニーバリも脱落。

最後まで粘っていた2名の逃げを吸収した集団は、いよいよヘッレが待ち受ける最終周回。早めのタイミングでヴァルグレンが飛び出したが、28%地点手前からフランスのバルデ、カナダのウッズ、スペインのバルベルデがアタック、イタリアのモスコンらが抜き返し、先頭集団は4人に絞られる。が、モスコンは途中で脱落し、逆にオランダのトム・デュムランは蛇行しながらも必死で追走、最後の丘を登り切る。

デュムランは下りで飛ばしてゴール前10kmの地点で何とか追いつき、一瞬スパートをしようとしたがバルベルデに阻まれ、そこからは互いに牽制し合いながら4人によるゴールスプリントが始まる。その中で先頭を引っ張っていたバルベルデがスプリント力の違いを見せつけ、最後まで後続の追撃を許さず逃げ切って優勝。数えきれないビッグタイトルを手にしていたバルベルデだったが、実に38歳にして世界選手権初優勝とは意外だった。レース後には歓喜の涙に浸っていたのが印象的だったね。

個人的には、それよりも放送の途中でダイジェスト放送された、世界選手権のジュニアロードのほうが興味深かった。同じ大会の、ジュニアの個人タイムトライアルで2位に1分以上の大差を付けて優勝したベルギーのイヴェネプールが、ゴールまで72km地点で落車に巻き込まれて2分の遅れを食らってしまうものの、最後の登りまでに追いつくと、逆に残り20km地点で単独スパート、2位に1分30秒近い差を付けて優勝と、桁違いの実力を見せつけていた。ま18歳だが、間違いなく将来はグランツールを席巻する選手になるはずだ。

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