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「酒井のピッチ内外でのフォローが、前半で交代させられた失意の伊藤を救うはず」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第9節 ダルムシュタット-ハンブルガーSV

3試合勝ち無しのHSVと、4試合勝ち無しのダルムシュタットという不調チーム同士の対戦。HSVのフォーメーションは4-1-4-1で、伊藤は左SHの位置で先発、酒井高徳は右SBに入った。対するダルムシュタットは4-4-1-1の形。

相変わらずHSVはアウェイであっても超攻撃的サッカーを貫いており、マイボール時には両SBがほぼWBの位置まで上がり、CBの間にGKポラースベックが入って3バック状態でビルドアップする、2(3)-3-4-1のような形に変形して攻めて行く。

こういうSHがインサイドに入るのは最近のトレンドだが、この場合SHの選手はスペースが無い中でボールを受けざるを得ず、伊藤の場合は前を向いてスペースがある状態ではキレのあるドリブルで打開出来るが、インサイドだとボールのもらい方や判断の面で甘さが出てしまい、それが昨シーズンほど活躍が出来ていない原因になっている。

この試合でも、前半13分にハントのゴールでHSVが300分ぶりに得点を挙げて先制したのは良いが、ダルムシュタットがHSVの各選手に対するマンマークを明確にすると、とたんにパスの出しどころが無くなってしまい、無理なキープや突破からボールを奪われ何度も危険なカウンターを食らってしまう。が、相手も調子が悪いおかげで、この時間帯を無失点で耐えられた事が大きかった。

ただし伊藤は前半43分にナライと交代させられてしまうと、その直後の前半45分に、ナライが左サイドからカットインで切れ込むと、ナライとスイッチしてボールを受けたホルトビーが2点目となるゴールを決めて前半を折り返す。

後半の序盤はホームのダルムシュタットが逆転を狙って前から来るが、HSVは10分ほどで落ち着きを取り戻して試合をコントロールしようとするも、17分に決定機を作られてシュートは上に外れてしまったが冷や汗をかく展開。しかし23分にカウンターから酒井が右サイドを抜け出したが、シュートではなくクロスを選択して相手にカットされる惜しい場面も。

ダルムシュタットはその後も決定的なチャンスを作ったものの活かせず、ようやく後半44分にCKから1点を返すと、後半ロスタイムにはパワープレイからPAのすぐ外でFKをゲット、しかしキックは上に外れてしまい、結局1-2のまま試合終了。

伊藤は対面の右SBリーダーの執拗なマンマークを受け、縦パスをもらっても後ろに下げるだけ、ボールを持ってもあっという間にフィジカルで潰されるなど、今期はどのチームにも対策されて苦しんでいる。ここは1つ、殻を破らなければいけない試練だ。もし酒井が左SBへ移って同サイドになれば、もうちょっと良いサポートを受けられると思うのだが・・・

酒井は相変わらず軽率なミスも多かったが、ボールをもらいに下がって守備もサボらないファン・ヒチャンとの相性が良く、オーバーラップから何度も攻撃に絡んで生き生きとプレイしていた。今期は代表やキャプテンといった重圧からは解放された立場なので、前半に交代させられて落ち込んでいる伊藤の精神的なサポートにも期待したいところだ。

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